ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
高橋洋一の俗論を撃つ!

偏向する大マスコミの報道
これが本物のIMFの指摘 

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第50回】 2012年10月18日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 先週、消費増税を支持する「論争!日本のアジェンダ」が読者の関心を集めたようだ。

 ただ、私が本欄に書いている「6・13 国会公聴会 私が述べた消費税増税反対の10大理由」(2012年6月14日付け)の観点からみると、先週の「アジェンダ」には、財政再建のためには「増税」が必要であると間違った認識がある。多くの読者は、「増税」すれば税収増というイメージを抱くと思うが、実は「税率の引き上げ」を意味することを知らない。

 税率を引き上げて税収が上がるかどうかは経済状況に依存する。それは商品単価を引き上げて売上増になるかどうかと同じだ。「増税」が税収増になるためにはデフレからの脱却が必要であるが、これが増税の前にやるべきことだ。筆者は、小泉・安倍政権時代、完全なデフレ脱却はできなかったが、増税なしでほぼ財政再建を達成している。こうした経験から、増税は政策経験のない人の下策であると思う。

どうして日本のマスコミの
報道は偏ってしまうのか

 しばしばIMFなども日本に増税を要請しているのも、増税が必要との論拠になっている。本当にそうだろうか。そのIMF・世界銀行年次総会が、10月9日~14日に東京で開催されたので、検証してみよう。

 なお、年次総会は、IMFと世銀の本部があるワシントンで2年続けて開催された後、3年目は他の加盟国で開催される。東京は1964年に開催されて以来2度目だ。2012年は日本がIMF・世銀に加盟して60年目の節目にあたる。

 総会には世界各国からの公式参加者が1万人、非公式の参加者を含めれば2万人とも言われる、世界最大規模の国際会議だ。総会では世界中の財務大臣・中央銀行総裁等が集うため、主要会議のほかに数多くの二国間会談やG7、G20等の会議が開かれる。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


高橋洋一の俗論を撃つ!

元財務官僚の経済学者・高橋洋一が、世にはびこるもっともらしい「俗論」の過ちをズバリ解説。

「高橋洋一の俗論を撃つ!」

⇒バックナンバー一覧