1000円のアマゾンギフトが当たった……と思ったら

 試しに、Twitterで見かけた「1000円のAmazonギフトプレゼント」に応募してみた。しばらくすると、なりすましアカウントから「当選しました!」というメッセージが送られてきた。

 なぜ、なりすましと分かったかというと、

・Twitter名は同じだが、よく見るとアカウント名が違い、「_」(アンダースコア)が一つ付いている
・フォローしているはずなのに、プロフィールに「フォロー中」サインが付いていない

 というおかしな点があったからだ。

 大体の場合、なりすましのために作ったアカウントは急ごしらえであるため、この他に「フォロワー数が少ない」といった判断材料もある。ただし、SNSのフォロワー数は金を払えば買えるサービスもあるので、これだけを判断材料にはできない。

 なりすましアカウントが偽の当選メッセージを送ってきたことは分かったのだが、何のためにこんなことをするのか知るために、安全な環境を用意して、メッセージを開いてみることにした(読者のみなさんは真似しないほうがよい)。

FacebookやTwitterの「お金あげます」おじさんは、本当にお金をくれるのかなりすましアカウントから送られてきた画面。これはどう考えてもAmazonギフト券の当選画面ではないと思うのだが
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 メッセージには、特に仕掛けらしきものはなく、こんな感じの内容が書かれていた。

「幸運な人たちおめでとうございます!
 以下の手順に従ってください
 1.(リンクをクリック)
 http://tinyurl.com/xxxxxx
 2.内容を登録します
 3.完了したらスクリーンショットの証明を提出してください」

 リンクをクリックしてみると、ファーストネーム・苗字・郵便番号、そしてクレジットカードの番号、有効期限、カードのセキュリティコードを入力する欄が現れた。まず「ファーストネーム・苗字」という表記がおかしい。そしてよく読むと、「メンバーシップ:5日間のトライアル後15.95ドル」の料金がかかると書いてある。これはお金をもらうためのフォームではなくて、何かのサービスを受けるためのフォームだ。つまり、これは1000円あげると見せかけてクレジットカードの番号を入力させ、逆にお金を取る仕組みになっているのである。

 1000円のギフト券が欲しい人から15.95ドルをだまし取ろうだなんて…、プレゼント額以上に手数料を巻き上げようとしているわけで、セコいにもほどがある。15.95ドルの“サービス”は、おそらく退会手続きがものすごく面倒になっているのかもしれない。くれぐれもだまされないようにしてほしい。