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エコカー大戦争!

なぜ“あれだけ”を根拠に日本EV負け組報道?
「チャデモvsコンボ」戦争終止符への危険なミスリード

桃田健史 [ジャーナリスト]
【第130回】 2012年11月2日
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チャデモ落選!?
デトロイトの驚愕

 2012年10月15日、米ミシガン州デトロイト。
  同地発の「ある発表」をキッカケに、日本で予想外のことが起こった。

 「SAE International releases New Fast-Charging Combo Coupler Standard(SAE J1772)for Plug-In Electric and Electric Vehicle」

「コンボ」には、2種類ある。米国用がコンボ1、欧州向けがコンボ2。理由は欧米で交流が、単相、三相で違いがあるため Photo by Kenji Momota
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実際のコンボコネクター。コンボ1(左)と、コンボ2 Photo by Kenji Momota
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 SAE(米自動車技術会)が、欧米メーカーが推進する直流・急速充電の「コンボコネクター方式」を認証したと発表したのだ。これを受けて、日本の大手新聞等で「チャデモvsコンボ」戦争関連の記事が掲載された。日本経済新聞電子版では「チャデモ落選」という刺激的な見出しを打った。

 この表現では「チャデモorコンボ」という二者択一で、「コンボが唯一の世界標準になった」という印象がある。だが、事実は違う。事実は、チャデモとコンボ、共に米国基準になったということ。SAEは世界基準を策定するIEC/ISOとも協議するので、両基準が世界市場で通用するようになるのだ。

 こうした日本での各種報道の真偽を確認するため、日本の自動車業界関係者、日系/米系コンサルティング会社、日系調査会社、日系一般/自動車マスコミなどから筆者宛に、本件に関する問い合わせが相次いだ。今回の発表同日、筆者はちょうどデトロイトにいたのだ。

 話題の当事者であるSAE主催の、自動車電機機器関連カンファレンス「SAE Convergence」と、EV(電気自動車)安全性関連のカンファレンス「SAE EV Safety Summit」を取材していた。日経BP社『日経Automotiv Technology』誌向けの対応だ。

 日本からの各種問い合わせに対して筆者は、本連載でこれまで掲載してきたチャデモ関連記事内容を引用しながら、チャデモの実情を説明した。参考となるのは、本連載第60回「菅首相へ!日の丸充電規格「チャデモ」トップセールスの時です~反撃に出る米韓、不気味な中国の沈黙。電気自動車コア技術のガラパゴス化を防げ」、第104回「電気自動車の充電方式標準化で世界大戦争勃発!牙をむく欧米メーカーvs迎え撃つ日産・三菱連合軍。トヨタは援護射撃するのか、しないのか?」などだ。

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桃田健史 [ジャーナリスト]

日米を拠点に世界各国で自動車産業の動向を取材するジャーナリスト。インディ500、NASCARなど米国レースにレーサーとしても参戦。自動車雑誌に多数の連載を持つほか、「Automotive Technology」誌(日経BP社)でBRICs取材、日本テレビでレース中継番組の解説などを務める。1962年生まれ。著書「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」好評発売中


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