のっけから恐縮であるが、まず、2008年1月にセンター入試で出題された問題をご覧頂きたい。
●中央銀行が行うと考えられる政策として最も適当なものを以下から選べ
1.デフレが進んでいる時に通貨供給量を減少させる
2.インフレが進んでいる時に預金準備率を引き下げる
3.不況期に市中銀行から国債を買い入れる
4.好況期に市中銀行に資金を貸す際の金利を引き下げる
本コラムの読者なら、簡単に答えがわかるだろうが、正解は3。
センター試験は高等学校の学習指導要領に沿って出題され、平均点は6割くらいに設定されている。勉強していれば解答できる問題ばかりだ。
高校生でもできるこの程度の問題を、当時の日銀は実行できなかった。マスコミは、金融政策は日銀が先生であり、そのまま鵜呑みにするだけなので、先生が違うといえば、高校生でも知っている知識も曲げてしまっていた。
実際、あるマスコミ関係者もこの問題は解答がないとか不適切だとか、奇妙なことを言っていた。もちろん、この問題では、不適切という批判もなかったし、解答も訂正されていない。要するに、おそらく日銀を刺激して、新聞ネタをもらえなくなるのをおそれているのだろうが、御用マスコミが多いということだ。
アンケート調査を見てびっくり
2008年9月のリーマンショックでは、欧米の中央銀行は国債買いオペなどで、実際にセンター入試の正解を実行したので、さすがに、もうこの種の日本での誤解はなくなってきたと思っていたら、10月29日の日経新聞のアンケート調査に関する記事を見て、愕然としてしまった。