ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
高橋洋一の俗論を撃つ!

デフレの責任は誰にあるのか
政府・日銀「共同文書」の奇妙さ

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第51回】 2012年11月1日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 のっけから恐縮であるが、まず、2008年1月にセンター入試で出題された問題をご覧頂きたい。

●中央銀行が行うと考えられる政策として最も適当なものを以下から選べ

  1.デフレが進んでいる時に通貨供給量を減少させる
  2.インフレが進んでいる時に預金準備率を引き下げる
  3.不況期に市中銀行から国債を買い入れる
  4.好況期に市中銀行に資金を貸す際の金利を引き下げる

 本コラムの読者なら、簡単に答えがわかるだろうが、正解は3。

 センター試験は高等学校の学習指導要領に沿って出題され、平均点は6割くらいに設定されている。勉強していれば解答できる問題ばかりだ。

 高校生でもできるこの程度の問題を、当時の日銀は実行できなかった。マスコミは、金融政策は日銀が先生であり、そのまま鵜呑みにするだけなので、先生が違うといえば、高校生でも知っている知識も曲げてしまっていた。

 実際、あるマスコミ関係者もこの問題は解答がないとか不適切だとか、奇妙なことを言っていた。もちろん、この問題では、不適切という批判もなかったし、解答も訂正されていない。要するに、おそらく日銀を刺激して、新聞ネタをもらえなくなるのをおそれているのだろうが、御用マスコミが多いということだ。

アンケート調査を見てびっくり

 2008年9月のリーマンショックでは、欧米の中央銀行は国債買いオペなどで、実際にセンター入試の正解を実行したので、さすがに、もうこの種の日本での誤解はなくなってきたと思っていたら、10月29日の日経新聞のアンケート調査に関する記事を見て、愕然としてしまった。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


高橋洋一の俗論を撃つ!

元財務官僚の経済学者・高橋洋一が、世にはびこるもっともらしい「俗論」の過ちをズバリ解説。

「高橋洋一の俗論を撃つ!」

⇒バックナンバー一覧