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ビジネスの舞台は地球を飛び出し宇宙へ
「下町ロケット」ならぬ「ベンチャー衛星」
アクセルスペースCEO 中村友哉

週刊ダイヤモンド編集部
【第210回】 2012年11月2日
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Photo by Toshiaki Usami

 「夢があっていいね」

 ほめ言葉にも聞こえるこのセリフを聞くたびに、落胆してきた男がいる。アクセルスペースのCEO、中村友哉だ。

 アクセルスペースは、重さ100キログラム以下の超小型人工衛星を独自で設計開発する、世界を見渡しても他に例を見ないベンチャー企業だ。

 人工衛星といえば、エンジニア数百人が10年以上かけて造る、数百億円はくだらない国の持ち物というイメージが強い。しかし、アクセルスペースでは4~5人のチームが、たった1年で造ってしまう。宇宙での動作に必要なテスト以外は省略するなど、小さな積み重ねで最適な造り方を練り上げ、劇的に製造期間を短縮したのだ。

 「何百億円もする大型人工衛星のコストは、ほとんどが人件費」なので、少人数で早く造れば価格も桁違いに安くできる。顧客が望む性能次第だが、宇宙への打ち上げ費用を含めて数億円で提供できるという。

 「数億円であれば、国だけではなく企業でも自社で持つことができる」。その製造ノウハウを在学中の研究室時代から仲間たちと高めてきた中村は、「宇宙ビジネス実用化のニーズはある」と確信し、最初の案件を受注できたら起業しようと考えていた。

 ところが、人工衛星ベンチャーなどというのは、誰も聞いたことがない前人未踏の領域。「宇宙をビジネスに活用する」という中村の言葉は、企業から現実離れした“夢物語”と見なされてしまうばかりだった。

卒業後は雌伏の1年半
ウェザーニューズが起業の扉を開いてくれた

 どこにも相手にされないまま、大学院を卒業して1年半の月日が流れた。それでも、「宇宙を活用して人々の暮らしをよりよく変えたい」という中村の想いは変わらなかった。

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