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ソブリン危機――歴史的難局の選択肢

【真壁昭夫×浜矩子 特別対談】
ユーロ後の世界経済を読み解く(下)
「基軸通貨不在の動乱時代がやって来る
世界が引きこもり化しないための最終解」

【第22回】 2012年11月2日
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債務危機の火種が燻るなか、今後万一ユーロ圏が崩壊するようなことになれば、世界はどうなるか。前回に引き続き、国際経済・金融に精通する真壁昭夫・信州大学教授と浜矩子・同志社大学大学院教授が、さらに議論を深める。ユーロ後に登場するであろう世界の新しい通貨・経済体制は、我々にどんな教訓を投げかけているのだろうか。(対談コーディネート・記事まとめ/ダイヤモンド・オンライン 編集長・原英次郎、小尾拓也 撮影/宇佐見利明)

ユーロ圏崩壊なら為替動乱時代に
次の基軸通貨は米ドルか、日本円か

真壁前回は、万一ユーロ圏が崩壊したら、世界経済にどんなインパクトがあるのか、ユーロ圏が抱える根源的な矛盾やリスクを基に、議論を交わしました。今回は、まずユーロ後の通貨体制について、ご意見をうかがいたいと思います。

 現実的に考えると、仮にイタリアなどが急に破綻すれば、欧州金融市場が混乱に陥り、ボラティリティの高い株や債券は一斉に売られ、最悪の場合、中央銀行の債券ともいうべき現金も売り浴びせられる。ユーロの代わりに信用できる通貨を皆が我先にと買いに走る。

 現在は代替的に買われている日本円やスイスフランも、そうした事態の中で信用に疑問符が付けば、きっとお金の行き着く先は金(ゴールド)になるでしょう。

 しかし、アベイラビリティ(調達や利用の可能性)が限られているので、皆が金を手にすることは難しい。流動性は持っておかないといけないから、セカンドとして有力な通貨に注目が集まる。私は、あれだけの軍事力や国際発言力を持っている米国のドルが、やはり基軸通貨として注目されると思いますが、どうですか。

 かつての米ドルはそのように言えたと思います。しかし今は、基軸通貨と見なされていない気がします。その証拠に、このユーロ危機のさ中においても、円はこれだけ上がっているのに、ドルは特に上がっていない。ドルに資金が逃げ込む従来のパターンは、だいぶ薄れているのではないでしょうか。

真壁 しかし、スイスフランはともかく、世界の資金が明確に円をめがけて逃げ込んでいるというわけでもないですよね。

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ソブリン危機――歴史的難局の選択肢

リーマンショックから3年。未曽有の危機を脱するために各国が積み増した債務の山は、ソブリンデフォルト(国家債務不履行)のリスクを高め、世界経済の先行きに重くのしかかっている。世界はこの歴史的難局にどう対処すればよいのか。国内外の識者と共に、処方箋を探る。

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