しかしここで、プレゼンテーションそのものが、その邪魔になったりします。
パワーポイントなどのプレゼンテーションソフトは、本来、論理(仮説や証拠、答え)を1個1個しっかり積み上げるための道具です。だから、ブロック(スライド1枚1枚)を積み上げるような形になっています。
なのでブロック(=塊)間の「つながり」が、よくわかりません。全体の論理的な流れが、すぐわからなくなってしまうのです。
だからプレゼンテーションの最後に、必ず文章で、言葉で、簡潔にまとめることが必要です。
「前提はこうで、こういう問題意識の下にこういう分析をしました」「その結果がこうだったので、こういう製品を開発・生産すべき、となります」
「そのための投資は約10億円で、出荷までには6ヵ月かかります」
「ユーザーが一番求めていることは納期です。来年春までにこの製品を投入しないとユーザーは導入しません」「だから、今月内に意思決定しないと間に合わない、ということです」
みなの頭の中で、切れていたかもしれない主張のメカニズムを、もう一度つなぐために、簡潔な文章でまとめます。仮説や証拠、結論、それらのつながりを、しっかり言葉にするのです。
「重み」と「差」による主張をみなに明示し、心にしみ込ませること。
それでようやく、議論の前提が整います。