ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

「みんなの夢アワード3」でも
明らかになったエコ・ブームの終焉。
環境問題から社会問題へシフトした若者たちの関心

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]
【第77回】 2012年11月6日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 ワタミが中心となって展開している「みんなの夢アワード3」(以下、夢アワード3)の一次選考通過者51名が発表された。

みんなの夢アワード3 第一次選考結果
http://www.miraimeishi.net/award/result.php

 「日本一の夢を決める」ことをテーマに、過去2回開催された「みんなの夢アワード」だが、第3回大会は来年1月30日に武道館で開催される。今回は300名を超える人たちが応募。最終的に8名程度のファイナリストが選ばれ、武道館のステージに立ってプレゼンテーションを行うのだが、そのファイナリスト候補としてまずは51名が選ばれたわけだ。

一次審査通過の大多数が
ソーシャル・ビジネス系

 「日本一の夢」とは、単に日本一大きな夢というわけではない。「日本で一番多くの共感を得る夢」という意味でもあり、昨今は人々の共感を得る夢とは社会貢献を志す夢ともいえるので、結果的に一次審査を通過した夢も、なにかしら社会貢献につながるものが大多数だった。僕はこの「夢アワード3」のアソシエイト・プロデューサーでもあるので、一次審査会にも参加したが、審査員の中からは「もう少し、ソーシャル・ビジネス以外でなにか(一次審査を通過できるような夢が)ないのか?」という声があがるほどだった。

 特に今回は、ノーベル平和賞受賞者で世界の代表的な社会起業家であるグラミン銀行のムハマド・ユヌス氏が特別審査員で参加することもあって、社会起業家をめざす人たちの関心を呼び、応募が増えたという事情があると思う。また、武道館イベントには大企業を中心に50社のCSR担当者も参加して、彼らの前でプレゼンでき、何かのカタチでの支援を得るチャンスが得られるということも、ソーシャル・ビジネスにチャレンジしている人たちの応募動機になっていると考えられる。

 だからからか、Teach for Japanの松田悠介氏や、「Asia Social Innovation Award 2011」受賞者である(当連載の「筆者が勝手に選ぶ社会貢献アワード」でも昨年の大賞受賞者でもある)温井和佳奈氏など、すでに高い評価を得ている注目の社会起業家の応募も増えている。

 僕の基準で言えば、一次選考通過の51名中49名の夢が、ソーシャル・ビジネスに関する夢である。今回は、この49名の夢から見える、最近のソーシャル・ビジネスや社会貢献の指向性、傾向を考えてみたい。

減り続ける環境問題への関心。
若者の多くは社会問題へシフト

 結果を見て僕自身がまず驚いたのは、環境問題への関心の低さである。ソーシャル・ビジネスには大きく分けて、「環境問題」と「社会問題」への関心/取り組みの2つがあると思うが、49名中、環境に関する夢を語った人は7名。他の42名は社会問題解決に関する夢である。数年前のエコ・ブームからは考えられない数字だと思う。世界の環境問題が画期的に解決されたわけでもないのに、環境活動家のみなさんからすれば納得できないことかもしれないが、これは事実である。

 実は、僕自身も以前からこの変化を感じていた。以前は、社会起業家をめざす若者の多くは環境問題に関心が高かったが、最近はそのような若者が激減していると感じている。その境目はいまの25歳である。つまり、25歳以上と以下では志向性がまるで違うということだ。

 また、30代、40代の人間にも、環境問題より社会問題に関心がある人が増えているようにも感じていた。これはキチンとした調査結果ではなく、僕の印象論に過ぎない。僕は環境活動家ではなく社会貢献活動家なので、僕が知り合うのは必然的に社会貢献を志向する人間が多いからかと思っていたが、あながちそうでもないことが今回の一次選考通過者を見て分かったわけだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

竹井善昭 [ソーシャルビジネス・プランナー&CSRコンサルタント/株式会社ソーシャルプランニング代表]

マーケティング・コンサルタントとしてクルマ、家電、パソコン、飲料、食品などあらゆる業種のトップ企業にて商品開発、業態開発を行なう。近年は領域を社会貢献に特化し、CSRコンサルタント、社会貢献ビジネスの開発プランナーとして活動。多くの企業にてCSR戦略、NGOのコミュニケーション戦略の構築を行なう。「日本を社会貢献でメシが食える社会にする」ことがミッションに、全国各地で講演活動を行なう。ソーシャル系ビジネスコンテストや各種財団の助成金などの審査員多数。また、「日本の女子力が世界を変える」をテーマに、世界の女性、少女をエンパワーメントするための団体「ガール・パワー(一般社団法人日本女子力推進事業団)」を、夫婦・家族問題評論家の池内ひろ美氏、日本キッズコーチング協会理事長の竹内エリカ氏らと共に設立。著書に『社会貢献でメシを食う。』『ジャパニーズスピリッツの開国力』(いずれもダイヤモンド社)がある。

株式会社ソーシャルプランニング
☆竹井氏ブログ 社会貢献でメシを食う〝REAL(リアル)〟
☆Twitterアカウント:takeiyoshiaki


社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭

CSRやコーズマーケティングをはじめ、「社会貢献」というテーマがポピュラーとなったいま、「社会貢献のセカンドウェーブ」が来ている。新たなサービスやプロジェクトのみならず、新たな主役たちも登場し始めた。当連載では話題の事例を取り上げながら、社会貢献的視点で世の中のトレンドを紹介していく。
*当連載は、人気連載『社会貢献を買う人たち』のリニューアル版として、2014年1月より連載名を変更しました。

「社会貢献でメシを食う。NEXT 竹井善昭」

⇒バックナンバー一覧