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“ビックロ”だけじゃない他市場顧客の取り込み競争
不況の小売各社が目指す「異業種コラボ」の成算

真川佳成
2012年11月13日
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「ここで一発“ビックロ”させる」
ビックカメラと組んだ柳井社長の狙い

 「今までにないユニクロで日本一売りたい。ビックカメラのゴチャゴチャ感みたいなものと、繁盛店の勢いのあるところをユニクロに取り入れる。日本が経済的に元気のないなか、ここで一発“ビックロ”させる」――。

 9月27日朝、ビックカメラとユニクロが新宿東口に共同出店した「ビックロ」の開店の挨拶で、ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長はこう抱負を語った。その上で、9月11日の記者会見では否定していたビックロの2号店以降の展開について「こういう店をニューヨークやパリでもやってみたい」と述べて、関係者を驚かせた。

 ビックロは、新宿三越アルコット店の跡地にできた新業態店だ。家電のフロアと衣料のフロアがあるが、ビックカメラのポイントを同店内のユニクロで使えるクーポン券に交換できるほか、ユニクロの売り場にデジタルカメラやスマートフォンを使っている特製マネキンを置いたり、ビックカメラの暖房器具売り場にヒートテックを陳列したりして、販売促進で相乗効果を狙っているのが特徴だ。

 今回のビック・ユニクロの異業種コラボレーションをユニクロの柳井氏と指揮したビックカメラの宮嶋宏幸社長は、「女性がワクワクできるような店にしたい」とその狙いを語る。

 と言うのも、これまでのビックの顧客は他の家電量販店と同じく男性比率が高い。これでは他店と品揃えがどうしても似通ったものとなり、価格競争に陥りやすい。そこで新たな客層を取り込むため、美容家電や子ども関連の商品を充実させて女性やファミリー層にその対象を広げ、他店との差別化を図ろうというのである。

 そうした意味で、若い女性や子供にも人気のユニクロは、新しい顧客の取り込みを図る上でもっとも適した相手と映ったようだ。

 ビックカメラがこうした新しい取り組みを進める背景には、業績の低迷がある。昨年の地上デジタル放送移行に伴う特需がなくなったこともあり、10月11日に発表された2012年8月期の連結決算では、売上高が5180億円と前期比15.4%減。経常利益にいたっては、72.3%減の61億円となってしまった。

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