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保田隆明 大学院発! 経済・金融ニュースの読み方

なぜ今、「ガールズ消費」が注目されるのか?

――日本の不況はガールズが救う?

保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]
【第22回】 2009年3月25日
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時代はアラフォーから
ガールズへ

 先日、私が出演している番組『日テレNEWS24』の「まーけっとnavi」のコーナーで、“今、ガールズ消費が熱い”という内容を取り上げた。以前は女子高生から20代前半あたりの若い女性の購買力を取り込むことに企業が一生懸命な時期があったが、近年はむしろ30代~50代の層の購買力の方が着目されていた。しかし、それがここにきてまた若返っているとのこと。

 番組で扱った事例としては、ユニクロがガールズ向けの専門店を新宿の丸井の中に出店したり、トヨタが若い女性をターゲットにしたヴィッツを打ち出し、それが若い女性の祭典である東京ガールズコレクションで展示されるなど、確かに若い女性をターゲットとした商品開発が続いている。

ガールズは不況知らず

 その背景を探ってみると、「ガールズ世代は、不況に対してディフェンシブな集団である」ことが浮かび上がる。たとえば女子高生や大学生の場合、彼女たちの収入のメインはアルバイトと親からのお小遣いである。これらからの収入は景気が悪くなってもさほど減ることはない。日本の労働市場では、派遣切りの話題で騒然となっているが、アルバイトが減ったという話題はあまり聞かないし、家庭では子供の小遣いカットに手をつけるのはおそらく最後であろう。収入の絶対額は高くないが、景気が悪くても減らないわけだ。

 一方で、モノの値段は下がってきており、彼女たちの消費マインドが冷えることはない。また、ガールズ世代では消費性向が高い。月々のバイトやお小遣い収入のほとんどは消費に回される。企業にしてみると、ガールズ層は、絶対額は少ないが毎月確実に自分たちの商品を消費してもらうことができれば、回転率で勝負して商売になるということである。

 これが、20代半ば以上の働く世代では、景気が悪くなると賃金カットの憂き目に遭い、雇用や将来への不安からお財布のひもは固くなり消費性向も下がる。また、アラサー、アラフォーという言葉が一時ブームとなったが、30代、40代では独身女性の比率が上昇しており、将来の住宅購入資金を準備する必要性も高まっている。その分消費に回せるお金、可処分所得は減る。

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保田隆明 [神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師]

1974年生まれ。神戸大学大学院経営学研究科准教授、昭和女子大学非常勤講師。リーマン・ブラザーズ証券(東京/ニューヨーク)、UBS証券東京支店で投資銀行業務に携わる。その後、起業、投資ファンド運用等を経て、10年より小樽商科大学大学院准教授、14年より昭和女子大学准教授、2015年9月より現職。雑誌、テレビや講演で金融・経済をわかりやすく解説する。著書は「あわせて学ぶ会計&ファイナンス入門講座」「実況LIVE 企業ファイナンス入門講座」(ともにダイヤモンド社)ほか多数。早大院商学研究科博士後期課程満期退学。
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保田隆明 大学院発! 経済・金融ニュースの読み方

仕事と両立しながら大学院に通い始めた保田隆明が、大学院で学ぶからこそ見えてきた新しい視点で、世の中の「経済・金融ニュース」をわかりやすく解説する。

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