部下には「自燃」「可燃」「不燃」「消燃」の
4タイプがいる

 みなさんは「部下は~すべき」、「部下は~するものだ」というアンコンシャス・バイアスを持っていませんか。いまや部下の価値観は多様化しており、すべての部下を一つのマネジメント手法で管理していくことはできなくなっています。まずは、このアンコンシャス・バイアスに気づいて、部下のタイプに合わせたマネジメント手法に修正していきましょう。

 これはテレワーク勤務が進んでいる令和の時代に限ったことではなく、昭和の時代からそうだと思いますが、部下には「自燃」「可燃」「不燃」「消燃」の4つのタイプがいます。

 自燃の部下は「自分で火をつけて燃える人」で、上司がある程度は本人に任せるマネジメントをすることでパフォーマンスを上げることができます。ただ、働きすぎによる「燃え尽き」には注意が必要です。

 可燃の部下は「火をつけてあげれば燃える人」で、上司が必要に応じてしっかりマネジメントすることでパフォーマンス向上と成長が見込めます。

 不燃の部下は「火をつけても燃えない人」、つまりまずは乾かすことが必要な人で、上司の優しい声掛けとケア、そして職場環境の調整や休養させることなどによって、「可燃」の状態まで引き上げるマネジメントが必要です。

 消燃は「周りの火がついている人に水を掛けて消す人」で、いわゆる職場の問題児です。消燃の部下は上司一人のマネジメントでは対応が難しいため、職場全体での対応、または人事労務担当や場合によっては産業保健スタッフとの連携が必要となります。

 オフィス勤務でもそうですが、特にテレワーク勤務において、上司は部下にはこの4つのタイプがいることを理解し、自燃や可燃の部下が仕事のやる気と自信を失い不燃や消燃に陥ることがないように、部下のタイプに合わせたマネジメントをしていくことが重要です。

上司はテレワークのメリットと
デメリットを正しく理解する

 オフィス勤務からテレワーク勤務に移行が進む中で、「仕事は~すべき」、「仕事は~するものだ」という上司が持っているアンコンシャス・バイアスが部下の仕事のやる気と自信を奪う場合があります。テレワーク勤務が進む中で部下をマネジメントしていくためには、上司がテレワークのメリットとデメリットを正しく理解することが重要です。

 まず、従業員のメリットとしては「通勤時間の短縮により心身の負担が軽減される」「仕事に集中できる環境により業務効率化や時間外労働の削減を図ることができる」「育児や介護と仕事の両立や仕事と生活の調和につながる」などが挙げられます。また、企業のメリットとしては「業務効率化や経費削減により生産性が向上する」「育児や介護等を理由とした労働者の離職の防止につながる」「遠隔地の優秀な人材を確保することができる」などが挙げられます。

 従業員のデメリットとしては「公私の区別がつきづらく、長時間労働に陥ってしまう可能性がある」「作業環境が千差万別になり、身体的不調のリスクが増加する」「組織内の雑談やちょっとした質問をする機会が少なくなる」などが挙げられます。

 また、企業のデメリットとしては「個々人の役割や業務内容の把握・共有がしづらくなる」「組織間のコミュニケーションやサポートが希薄になる」「組織の一体感や情報が欠如しやすい」などが挙げられます。上司はこれらのメリットとデメリットを理解して、「部下がイキイキと楽しく働くことができる職場環境をいかにつくっていくか」を考えながら、部下のマネジメントを行っていくことが重要です。