新型コロナウイルスの影響で在宅ワークが増え、通勤途中にコンビニに立ち寄る機会が減ったことで、タブレット商品などを含む錠菓子市場全体の売り上げは落ち込んでいるという。だが、そんな厳しい状況のなかでも、「大粒ラムネ」は発売初年度と比較し、2020年の売り上げを1.83倍(※2)まで伸ばしている。

(※2)…出典:インテージSRI+ 大粒ラムネ 2018/7/1 ~ 2021/6/30 累計販売金額

「コロナ禍でもビジネスパーソンから変わらず支持をいただいています。たとえ働く場所が変わっても、仕事の“作業に取り組む”という部分は変わらないので、集中したいときにラムネを口にする習慣がかなり定着してきていると感じます。SNSには『ラムネ食べてから原稿書く』『仕事中にはこれがないとだめだ』といった声も届いています」

 今では作業のお供として信頼を得ている大粒ラムネだが、実は販売開始時点では、ラムネを食べることによって仕事や勉強がはかどるという科学的な根拠はなかったという。

 2015年頃から脳神経の活動がぶどう糖に依存していることがメディアによって周知されはじめ、「ぶどう糖を多く含んでいるラムネを食べると集中したり、リフレッシュしたりできる」という印象が広がっていった。森永製菓は、拡大するぶどう糖の需要を獲得するため、大人向けに「大粒ラムネ」を発売した形になる。

 そこで2020年、森永製菓は「ぶどう糖を多く含むラムネ菓子の単回摂取で認知機能の一部である『ワーキングメモリー』(※3)と『持続的注意力』スコアが改善することを確かめました」という研究成果を発表。ぶどう糖によって作業効率が上がることを明らかにした。

(※3)…「ワークングメモリー」とは、理解や推論など認知的課題を行うときに情報を一時的に保持するための記憶のこと。

「確かなエビデンスを得たことで、勉強や仕事など集中したい場面に適した食べ物であることを、より認識していただけるようになったと思います」