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日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男

地方政府との共同ファンドで地元企業に投資
投資先と日系中小企業との橋渡し役に意欲
――永島一広・日本アジア投資取締役中国総支配人インタビュー

江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]
【第88回】 2012年11月27日
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中国で地方政府との共同ファンド運営などで投資を進める日本アジア投資。取締役の永島氏に、現在の中国の投資環境と、なぜ地方政府との共同ファンド運営という形で投資をするのか、また今後、日系企業が中国で勝っていくためのヒントなどについて聞いた。

誰でもみんな成長する
という時代は終わった

――現在の中国の投資環境はどのような状況でしょうか?

永島一広・日本アジア投資取締役中国総支配人

 昨年から一昨年頃まで続いてきた「誰でもみんな成長する」というバラ色の時代は終わりました。

 特に今年に入ってから、投資を必要とする資金需要以上にファンド資金が増え過ぎて供給過多になり、投資がだぶついている状況です。またバリュエーション(企業評価価値)もかなり高止まりしているので、投資したい企業があっても、割高でなかなか投資できない状況が続いています。

 中国の成長が鈍化してくると、それから先の局面がもっと大変になります。ファンド運営はダウントレンドでもある程度利益を出して生き残る必要がありますが、中国のファンドの歴史はまだ浅いので、中国人ファンドマネージャーの多くは、これまでのような昇り調子の成長マーケットでの投資しか経験がありません。我々のように、日本で不動産バブル、ITバブル等を経験していると、先行きをある程度見越して早い段階から投資ポートフォリオを随時組み直す行動を取るわけですが、中国人ファンドマネージャーはそれをしません。

 逆に、今後の中国全体の成長性を疑わずに、投資先のIPOで大儲けをしようと夢を見ていた中国のファンドの多くは、今はかなり苦しい状況にあると思います。そういったファンドに資金を提供しているのは、これまで不動産などで短期的に儲けてきた個人投資家と思われ、そういう投資家は、ファンドに対してもかなり短期の成果を求めます。そのため、ダウントレンドで成果が上がらなければ、すぐ解約して資金回収を迫る可能性があります。

 しかし、そうなったときは、逆に我々にとってはチャンスです。比較的安い価格でポテンシャルのある企業の株式を買えるからです。ファンド運用は「待つこと」も必要なのです。

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江口征男 [智摩莱商務諮詞(上海)有限公司(GML上海)総経理]

1970年、神奈川県横須賀市生まれ。横浜国立大学大学院工学研究科修了、Tuck School of Business at Dartmouth MBA。Booz & Company, Accentureなどの経営コンサルティング会社、子供服アパレル大手のナルミヤ・インターナショナルを経て、中国にて起業。上海外安伊企業管理諮詞有限公司(Y&E Consulting)、(株)MA PARTNERSの創業経営者でもある。
⇒GML上海ホームページ執筆者へのメール


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