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走りながら考える
【最終回】 2012年11月30日
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為末 大

2位以下は全員「負け」。
それでもなお一番を目指す意味とは?

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「2番ではダメですか?」かつて政治家のこの発言が話題となったが、1位以外は、取りようによっては全員負けである。アスリートとして、世界一を目指してきた為末大は、結果が2位、3位であってもなお、「一番を目指すこと」が大切だと語る。その理由とは…。

人の真似をしている限りは、
ずっと2番のままだ

  人間のコンプレックスは、自分が属す(もしくは属している・属したいと思っている)社会の基準に沿っている。そして、それが社会の基準からきているということも、そこから離れてみるまで気がつかない。

 同じようなことが陸上のグランドでも起こっている。
 スター選手と自分の動きを比較して自分ではダメなのだと感じ、その自分にコンプレックスを抱く。だが、たいてい勝つのは誰かの真似をしている選手ではない。まるで違う路線をひた走っている人間が次のチャンピオンになる。
 人の真似をしている限り、残念ながら、ずっと2番手のままだ。

誰かの真似が、誰かの劣化コピーで終わってはいけない

 20代前半は僕も人の真似ばかりしていた。あれはあれでよかったのかもしれないけど、「もっと違うことに時間を割いたほうがよかったのではないだろうか」と思うこともたくさんある。
 僕が「自分のものさし」みたいなものを意識したのは、たぶん20代の後半だった。
 世の中には、実にさまざまな「軸」が存在する。
 誰かの真似が、誰かの劣化コピーで終わってはいけない。真似から始まったとしても、そこから自分なりの法則を見つけ出し、世間の目や評価や比較の世界から半歩くらい下がって、「本当にそうなのかな」と自分に問いかけ、自分なりの「軸」を作ろうとする癖をつけておくこと。
 一番を目指すためには、大事なのだと思う。

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為末 大(ためすえ・だい)

元プロ陸上選手。
1978年広島県生まれ。2001年エドモントン世界選手権で、男子400mハードル日本人初となる銅メダルを獲得。さらに、2005年ヘルシンキ世界選手権でも銅メダルと、トラック種目で初めて日本人が世界大会で2度メダルを獲得するという快挙を達成。オリンピックはシドニー、アテネ、北京の3大会に出場。“侍ハードラー”の異名を持つトップアスリート。男子400mハードルの日本記録保持者でもある(2012年10月現在)。
2012年6月、大阪で行われた日本陸上競技選手権大会を最後に、25年間の現役生活に終止符を打った。Twitterフォロワー13万以上(2012年12月現在)、「知的に語れるアスリート」として、言動にも注目が集まる。
著書は、『走りながら考える』(ダイヤモンド社)、『走る哲学』(扶桑社新書)、『決断という技術』(共著、日本経済新聞出版社)、『日本人の足を速くする』(新潮新書)など多数ある。
爲末大学 http://tamesue.jp/

 


走りながら考える

Twitterフォロワー12万以上、「自ら考え、語る知的アスリート」としてその発言に注目が集まる為末大による、厳しい時代を生き抜くための自己鍛錬の方法や考え方とは。
トップアスリートが、勝利、挫折、限界、さまざまな経験の中でもがき苦しみ気づいた、人生における大切なことを赤裸々に語る。
 

「走りながら考える」

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