高市氏が「招かれざる客」として
安倍派で嫌われる理由

 だが、安倍派には総裁選への立候補を目指したことがある稲田朋美元防衛相と下村博文元文部科学相の2人が所属している。萩生田光一経産相も派閥内で将来を期待されている1人だ。

 ここに高市氏が復帰し、「ポスト岸田」候補として位置付けられることになれば、一貫して清和会で汗を流してきた他の「候補予定者」の意欲は大きく削がれることになる。町村派退会の経緯もあるだけに「絶対に反対する」と断言する議員もいるほど。いわば高市氏は招かれざる客なのだ。

 今回の自民党総裁選では、自ら多くの国会議員らに電話する「安倍フォン」などで高市氏を全面支援した安倍氏。岸田氏とは距離が生じ、派閥内で力を付けるポスト岸田の「候補予定者」たちも齢を重ねていく中、3年後に予定される総裁選では誰を担ぐことになるのか。令和のキングメーカーの憂鬱は簡単には消えそうにない。