ところが10月以降、感染が落ち着きを見せたことで鉄道利用は急激に回復。JR東日本の12月の鉄道営業収入は、2019年同月比で定期が約19%減、定期外のうち近距離が約17%減、中長距離が約33%減まで持ち直した。

 同様にJR西日本も12月は定期が約3%減、定期外は近距離が約13%減、中長距離が約33%減。山陽新幹線の輸送量を見ても、10月は約52%減だったが、11月は約40%減、12月には約27%減と徐々に回復している。JR東海も東海道新幹線「のぞみ」の輸送量が10月の約51%減から、11月に約41%減、12月には約35%減と改善傾向にある。

コロナ前の約8割に
利用が回復すれば黒字化か

 そんな中、コロナ以降2回目の年末年始輸送はさらに復調を裏付ける結果となった。12月28日から1月5日までの輸送量は、JR東日本の東北新幹線が前年度比約2.6倍の140万人で、2019年度と比較しても約23%減まで回復した。

 JR西日本の山陽新幹線は前年度比約2.9倍の133.5万人で2019年度比では約24%減、JR東海の東海道新幹線も前年度比約2.6倍の284.4万人で2019年度比では約22%減だった。両社とも主力である「のぞみ」の利用が全体を上回る回復を見せており、帰省や旅行など長距離利用者が戻りつつあることを示している。