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2012衆院選 日本再生の論点

TPPによる規制緩和で経済復活は幻想
RCEPや日中韓FTAを優先すべき
――金子勝・慶應義塾大学経済学部教授インタビュー

【第13回】 2012年12月13日
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選挙の争点となっているTPP(環太平洋経済連携協定)。経済界を中心に交渉参加し、推進すべきという主張が多い。ところが、それは必ずしも日本の国益にかなうものではなく、単なる通商政策と違い日本の国の形を変えるような非常に大きな影響を与えるものだという声もある。それにもかかわらず、そのことが議論されていないという。TPP推進に疑問を呈する金子勝・慶應義塾大学経済学部教授に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

TPPは国の根幹を揺るがす
大きな変化を伴うものだ

――TPPが選挙の争点になっているが、ここまでの選挙戦において、各党のTPPに対する姿勢をどのように見ていますか。

かねこ・まさる
1952年生まれ、東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得修了。専門は財政学、地方財政論、制度経済学。著書に『新・反グローバリズム』(岩波書店)『失われた30年 逆転への最後の提言』(NHK出版)など
Photo by Masato Kato

 各政党は、正面切って態度を表明できないでいる。それは、各論反対が出てきてしまうからだ。交渉のテーブルについてから、国益にかなわないようだったら、交渉から抜ければいいということを言う人もいるが、本当にそれができるのか、疑問だ。

 TPPの経緯をもう一度思い出してほしい。始めは農業問題だった。都内でも大規模なデモが起きた。しかし、徐々にTPPは農業だけの問題ではないという事が交渉分野を見ていくと分かってきた。あの当時は、TPPの全体像を掴んでいなかったのだろう。徐々に、農業以外のものが出てきた。例えば、自動車や医療などだ。

 TPPはアメリカが積極的で、オバマ政権の通商政策の目玉だ。日本に大胆な規制緩和を迫ってくるだろう。アメリカ大使館のホームページに対日要望書があるが、このなかの何が出てきてもおかしくない。

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2012衆院選 日本再生の論点

日本憲政史上初めて、野党が選挙で単独過半数を得たあの歴史的政権交代から3年。国民の大きな期待とは裏腹に、民主党政権は混迷し、凋落、そして衆議院の解散に至った。そして、日本にも二大政党制が根付くと思われた3年前とは反対に、少数政党乱立の状況を生み出している。一体、3年前に国民が期待をした政権交代とは何だったのか。そして、この衆議院選挙は混迷を続けける日本政治・経済の再生につながるのか。この連載では、2012年の衆議院議員選挙の論点を追いながら、日本再生のカギを探す。

「2012衆院選 日本再生の論点」

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