岸田文雄首相Photo:JIJI

高い支持率を維持してきた岸田文雄政権だが、世論調査の内閣支持率に陰りが見え始めている。新型コロナウイルス感染拡大「第6波」が猛威を振るう中、岸田政権と専門家との間に吹くすきま風も目立ってきた。菅義偉前首相の情報発信力と説明力のなさを痛烈に批判して宰相の座に上り詰めた岸田首相。しかしその時の言葉は今、自らに対する「大ブーメラン」となってしまっている。(イトモス研究所所長 小倉健一)

「政治判断重視」の岸田政権と
専門家の間にすきま風

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」が爆発的な拡大を見せる中、岸田文雄首相とコロナ対策を助言する政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長との間にすきま風が吹いている。

 これまでの政権は尾身氏ら専門家と十分に意思疎通を図りながら対策を発信してきた。一方、社会経済活動との両立を目指す岸田政権は「政治判断」に重心を置く方針に転換したからだ。

 両者間の乏しいコミュニケーション故に、政府の「公式見解」と尾身氏らの提言が異なる事態も生じ、現場の混乱に拍車をかけている。

 年始から猛威を振るうオミクロン株の感染急拡大で、1月27日には北海道や大阪府、福岡県など18道府県に新たに「まん延防止等重点措置(まん防)」が適用され、同措置の対象地域は計34都道府県となった。全国で1日の感染者は8万人を超え、これまでに国内で新型コロナの感染が確認された人は250万人超、死者は2万人近くに上る。

 感染者の急増とそれに伴う濃厚接触者の爆発的増加によって企業は人手不足の危機に陥り、臨時休校や学級閉鎖などの措置に踏み切る学校も後を絶たない。しかし、国から発信されるのは「基本的対処方針」という対策の中身のみで、国民に今後の見通しと安心感を与えるようなメッセージは見られない。その理由について厚生労働省を取材する全国紙記者が語る。