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川上から川下まで関わる
商社の資源ビジネス

 高度成長から現在、そして未来に至るまで、総合商社が大きな役割を果たしてきたのが資源の安定的な調達だった。

 資源とはエネルギー源である石油、天然ガス、石炭、ウラン、そして産業の米と呼ばれた鉄鉱石、加えて各種金属類である。

 日本のエネルギー自給率は11.8%(2018年)で、世界では34位である。アメリカのそれは97.7%だ。そして、イギリス70.4%、フランス55.1%、ドイツの37.1%に比べると自給率は低い。

 また、日本のエネルギーの内訳は石油37.6%、石炭25.1%、LNG(液化天然ガス)22.9%、原子力2.8%、水力3.5%、再エネ等(地熱、風力、太陽光)8.2%。

 東日本大震災の後、原子力発電が減ったため、化石燃料の使用が増えたのである。

 エネルギー源の輸入先だが、石油は中東から、LNGは主にオーストラリアから、石炭もまたオーストラリアから運んできている。ちなみに石油の海外依存度は99.7%、LNGは97.7%、石炭は99.5%である(資源エネルギー庁調べ)。

 エネルギー自給率が低い日本は産業を興すためだけにとどまらず、庶民が使う電気やガスのために石油、LNG、石炭を輸入してこなくてはならない。

 この場合、電力会社が直接、買い付けたり、採掘会社に投資する例もないわけではない。だが、大半は総合商社が探鉱から日本の家庭にエネルギーを供給するところまで絡んでいて、ビジネスにしている。

 石油を例にとると、総合商社はまず探鉱、掘削の段階から資源開発会社、採掘会社に投資する。さらに社員を現場に派遣し、原油を掘り当てることに協力する。

 採掘した原油はタンカーで運んできて、国内の製油所に納入する。その後、製油所では原油を蒸留装置や分解装置にかけて、ガソリン、灯油、軽油、重油などのさまざまな石油製品に精製する。

 そして製品はガソリンスタンド、灯油販売店へ運び、消費者に販売する。一方で、発電所にも供給する。

 川上の採掘から運搬、川中の精製、川下の販売まですべて専門会社があって、総合商社が投資している。また、物流の手配なども彼らの仕事だ。