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「引きこもり」するオトナたち

40代引きこもり男性が親元から自立するには?
緊張を強いられる生活保護申請の過程

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第136回】

 今回は、長年、親元で引きこもっていた40歳代のMさんが、初めて1人暮らしを始めるまでにいたった過程を紹介したい。

困窮状態の両親と同居する息子
親子間にできた負の連鎖

 Mさんは、子どもの頃からずっと、親元を離れられなかった。

 大学を卒業したとき、すでにバブルは崩壊。ようやく就職した会社も、ストレスによる体調不良で2年ほどして退職した。

 以来、就職がうまくいかず、アルバイトを転々としたものの、次第に仕事に就くことができなくなった。

 こうして大人になってから働き続けられなくなっても、親や周囲がサポートできないまま、ずっと見過ごされてきた。

 だからといって、親が悪いともいえない。Mさんの両親もまた、何らかの問題を抱えていた。貯金を切り崩して生活するほど困窮状態にあり、日々を生きていくのに精一杯で、収入のないMさんは、「家の中に居づらい状況」に追い込まれていたのだ。

 Mさんの家庭は、親子間で負の連鎖を生んでいる典型的な例だった。

 「働いて自立したい。でも、どうすればいいのかがわからない」

 そんなMさんからの連絡をきっかけに、初めて待ち合わせしたとき、地方の駅の改札口で待っていたのは、Mさんの母親だった。

父親が突然倒れたことが後押しに
生活保護申請を決意

 Mさんは「他人の視線が怖いから」と、人混みを避けるように地下道の陰に隠れていたのである。

 Mさんは、典型的な「引きこもり」タイプのように思えた。以来、Mさん親子に関わり始めて、家庭内で“ネグレクト”状態にあったMさんを一刻も早く親から引き離したほうがいいと考え、支援団体に相談した。

 というのも、Mさんは常々、親と一緒に同居していることによって、将来への恐怖心を訴えていたからである。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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