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「引きこもり」するオトナたち

「自立できない=恥」という価値観は本当に正しいか
引きこもりに“負い目”を感じさせる日本社会の病理

池上正樹 [ジャーナリスト]
【第58回】

 社会から離脱して、引きこもる人たちの中に「負い目ポイント」というものがある。

 「負い目ポイント」は、人によって多少の違いはあるものの、主に「履歴」だったり、「社会経験」だったりする。一旦、社会を離脱した人たちが、なかなか復帰できなくなるのも、こうした負い目ポイントを本人ではなくて、社会がつくりだしていることに原因がある。

休めば「なぜ働かないのか」と責められる
結果ですべてを判断する世間への疑問

 「他人から評価される“いい所”は、いつも結果で判断されるんです。でも、“いい所”って、本当に結果だけなんでしょうか?」

 現在も「引きこもり」状態の生活を続けていて、「発達障害」と診断されたという御堂諦さん(年齢非公開)から、先日、そんな話を聞く機会があった。

 御堂さんは、高校卒業後の時点で、人間関係に疲れていた。将来が信じられない。しばらく休ませてほしかった。

 「なぜ働かないのか?」と責められる。でも、学校を卒業した後の進路を思い浮かべたとき、会社員として仕事をしている自分が想像つかなかった。

 高校卒業後、都内の専門学校に毎日通いながら、大学の教育学部の通信制課程で学んだ。通信制課程は、大学版サポート校のようなシステムだったという。

 学校では、詰め込み的なカリキュラムが行われ、友人とのメールのやり取りも、レポートや試験に関することばかり。新聞を読むような余裕がなかった。

 当時、大学の総長がある事件で逮捕されて退学騒動が起きた。その少し後、御堂さんは、潰瘍性大腸炎を発症。大学を退学する。

 当時、記憶にあるのは、『らき★すたエンディングテーマ集~ある日のカラオケボックス~』というCDを購入したこと。また、『月刊ニュータイプ』というアニメ雑誌の付録で、この作品を舞台にした埼玉県鷲宮町(現在の久喜市)の鷲宮神社が話題になっていたことくらいだ。この模様を取材した、フジテレビ系の『NONFIX』というドキュメンタリー番組『オタクと町が燃えた夏』が放送されたのを観た。

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池上正樹 [ジャーナリスト]

通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。主に「心」や「街」を追いかける。1997年から日本の「ひきこもり」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したのかを調査。著書は『ひきこもる女性たち』(ベスト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『下流中年』(SB新書/共著)、『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』(ポプラ新書)、『あのとき、大川小学校で何が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。厚労省の全国KHJ家族会事業委員、東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』

 


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

「「引きこもり」するオトナたち」

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