「猛暑のマスク」をナメてはいけない医学的理由、意外な熱中症予防テクとはPhoto:PIXTA

平年に比べて3週間前後も早く梅雨が明けた。早すぎる真夏の到来で、熱中症になる人が少なくない。一方で、新型コロナウイルス感染拡大の「第7波」も深刻で、今年もマスクが手放せない夏になりそうだ。そうした中、どのように熱中症対策を講じるべきなのか。危険な「かくれ脱水」にならないために気を付けておくべきポイントとは。(ナビタスクリニック理事長、医師 久住英二)

早すぎる真夏の到来…
「夏マスク」に要注意な医学的理由

 最短の梅雨に加え、今年は嫌な記録更新がもう一つある。熱中症搬送数だ。総務省消防庁の発表によると、6月に熱中症で救急搬送された人は1万5657人に上り、6月としては過去最多となった。

 早すぎる真夏の到来に、私たちの体が追い付いていない。一番の気がかりは、「外出増」×「夏マスク」という組み合わせだ。

 厚生労働省は、熱中症予防のため「他者と2メートル以上の距離が確保できない中で会話を行う場合以外、屋外でマスクを着用する必要はありません」「特に夏場は、マスクを外すことを推奨します」としているが、呼び掛けの効果は上がっていないようだ。

 人目が気になって外せないのも、よく分かる。だが、「夏マスク」の体への負担を甘く見てはいけない。