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永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

「女性が日本を救う」と叫ばれながら
男性社会が崩れない、その本当の理由

永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]
【第9回】 2013年1月21日
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 「女性の社会進出が日本の経済成長のカギ」(IMF報告書)、「2020年までに各分野で指導的立場の女性を30%に」(内閣府男女共同参画局)…いずれも頷ける話です。しかし、福沢諭吉が男女同権論を唱えて150年、なかなか日本社会の男性優位は崩れません。それは、国内の政策議論や人事制度議論では見落とされる、日本ならではの理由があるからです。

オジサンたちが怖い
~外国人女性に好かれない日本の男性社会

第1回コラムをさらに充実させるかたちで昨年末に出版した「日本人こそ見直したい、世界が恋する日本の美徳」(ディスカバー携書)で書いたとおり、私たちが、自信をもって世界に発信すべき日本の素晴らしい点は数多くあります。しかし、日本の極度な男性優位社会については、多くの外国人女性が好感を持っていません。例えば、資本提携など何らかの理由で、日本の企業と仕事をせざるを得なくなった欧米系企業の役員や部課長級の女性が、よく筆者に次のような質問をしてきます。

 「日本の企業を訪問したら、受付で若い女性が可愛い笑顔で迎えてくれる。次に指の先まで綺麗にした中年女性がやってきて会議室まで案内してくれる。ところが、会議室に入ってくるのは年配の男性ばかり。なぜ、ここまで男女の役割分担がはっきりしているの?」

 「日本のパートナー企業からでてくる人たちは、皆年配の男性。私のような若手の外国人女性との交渉や協業はやりにくいのでは?」

 「日本出張中に飲みニケーションに誘われた時、お断りしたらまずいかしら?日本人男性の中に私が紅一点というのは変じゃない?日本人女性みたいに私から男性にお酌しないとだめかしら?」

 このように彼女たちは、オジサン達に違和感を覚え戸惑います。中には、一緒に仕事するのは怖いと言う人さえいます。それもそうです。上級管理職に関する国際比較データでも明らかですが、彼女たちは自国でも他の多くの国々でも、相手(部課長クラス以上)が女性である確率が10人に3~5人という環境で働いています。これが日本だと、その確率が20人に1人となり、よほど運が良くない限り相手は全員男性です。また、この傾向は、企業に限らず、公務員や政治家の世界でも同じです。

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永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]

フランスを拠点に、フォーチュン・グローバル500企業をはじめ数多くの欧州企業(一部アジア系企業)に対し、国際経営・事業・組織コンサルティングをおこなう。特に、「アジア・欧州・アフリカ市場への事業進出と拡大」「海外子会社の変革マネジメント」「人と組織のグローバル化」の3領域における戦略構築から実行支援が専門。日本経済新聞レギュラーコラムニスト(ネット版07-10年)、講演・出稿記事多数、リヨン第一大学客員講師(98‐00年)。1960年生まれ。西南学院大学(文学部)卒業後、82年JTBに入社、本社及び海外事業部門のマネジャーを経て、96年フランスに拠点を移す。MBA(EMリヨン)を取得後、リヨン商工会議所(アジア担当マネジャー)、仏系中堅医療機器メーカー(COO~企業再生ミッション)、欧州系調査コンサルティング会社を経て2003年より現職。
オフィシャルサイト:http://www.kimihikonagata.com


永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

「グローバル社会で起きる諸問題や変革のうねりに対し、日本人、日本人社会、日本企業や日本の政治はどうあるべきか」…国際派コンサルタントとして、日本の外から世界各地と日本を大局的に見つめる筆者が提言します。

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