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永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

あなたは妻・夫を名前で呼んでいますか?
恋愛が冷め関係性で維持される「役割夫婦」の功罪

永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]
【第8回】 2012年7月24日
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 「うちのパパは別室で寝るの」

 洋子さんが言いました。これを聞いた友人のポールさんは「洋子さんの父親が?」と、困惑……。

 実はパパとは旦那さんのことです。このように日本では、結婚当初こそ名前で呼び合っても、子どもができると「父さん(パパ)・母さん(ママ)」、孫ができると「お爺さん・お婆さん」と、家庭内での役割の進化や年齢に応じ互いの呼び方も変わる夫婦が多くいます。なぜでしょう? その背景には、予想以上に奥が深く複雑な、日本人社会の文化的特質が絡み合っています。

ニッポンの不思議
「役割夫婦」

 多くの外国人の友人が「なぜ日本の夫婦は名前ではなくパパ(父さん)とかママ(母さん)と呼び合うの?」と僕に質問をしてきます。パパ=父親、ママ=母親と単純にとらえる彼らにとって、この夫婦間の呼び方はニッポンの不思議の1つです。

 世界中を知るわけではありませんが、韓国や東南アジアなど一部の地域を除き、多くの国々では、家庭内の役割が変わろうが年をとろうが夫婦間では名前で呼び合うのが基本ではないでしょうか(日本のように「あなた」「きみ」などの二人称代名詞やニックネームを使うことはあるものの)。また、西洋諸国を中心に、結婚年数や年齢とは関係なく愛情表現で呼び合う夫婦も多くいます。英米の「ダーリン」フランスの「シェリー」などです(尚、日本には同様の愛情表現はありません)。

 さらに最近は、外国人だけではなく、当の日本人にもこの「役割夫婦」に疑問を抱く方々が増えているようです。先日、読売新聞くらし面の夫婦のあり方を取り上げるコーナー「結婚指輪してますか?」の担当記者の方から取材を受けました。「そもそも日本ではなぜ名前を呼ばない夫婦が多いのか?」について僕の見解を聞きたいといいます。

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永田公彦 [Nagata Global Partners代表パートナー、北九州市立大学特任教授]

フランスを拠点に、フォーチュン・グローバル500企業をはじめ数多くの欧州企業(一部アジア系企業)に対し、国際経営・事業・組織コンサルティングをおこなう。特に、「アジア・欧州・アフリカ市場への事業進出と拡大」「海外子会社の変革マネジメント」「人と組織のグローバル化」の3領域における戦略構築から実行支援が専門。日本経済新聞レギュラーコラムニスト(ネット版07-10年)、講演・出稿記事多数、リヨン第一大学客員講師(98‐00年)。1960年生まれ。西南学院大学(文学部)卒業後、82年JTBに入社、本社及び海外事業部門のマネジャーを経て、96年フランスに拠点を移す。MBA(EMリヨン)を取得後、リヨン商工会議所(アジア担当マネジャー)、仏系中堅医療機器メーカー(COO~企業再生ミッション)、欧州系調査コンサルティング会社を経て2003年より現職。
オフィシャルサイト:http://www.kimihikonagata.com


永田公彦 パリ発・ニッポンに一言!

「グローバル社会で起きる諸問題や変革のうねりに対し、日本人、日本人社会、日本企業や日本の政治はどうあるべきか」…国際派コンサルタントとして、日本の外から世界各地と日本を大局的に見つめる筆者が提言します。

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