規制よりも
市場原理に任せる方が効率的

 たとえば首都圏の人口が適正水準よりも1割多すぎるとした場合、「首都圏に住む人は抽選して1割は首都圏から出ていけ」というのは乱暴すぎるが、「固定資産税を値上げして、1割の人が出ていくように仕向ける」のであれば、合理的な政策といえるのではないだろうか。

 首都圏に住むことで十分高い所得を得られる人、首都圏のイベントに強い関心のある人、等々は首都圏に残れば良いし、そうでない人は離れていくことにすれば良かろう。

 企業も、企業全体が首都圏を離れるという選択肢もあろうが、営業部門は首都圏に残し、経理部門は地方都市に移転する、などという選択肢もあろう。

 それにより、首都圏が災害への脆弱性等々を含めて考えた場合の適正規模になる、という考え方もできるのではないだろうか。

 本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解である。また、わかりやすさを優先しているので、細部は必ずしも厳密ではない。