旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理
【第39回】 2013年1月25日 車 浮代

高級食材「海苔」を庶民に普及させた徳川家康
「磯の華」と呼ばれた浅草海苔は、江戸っ子の誇り

 今や、日本の食卓に欠かせない「海苔」――。

 ここ数十年の、回転寿司やコンビニおにぎりの人気も手伝って、海苔の生産高は今や年間100億枚! だそうです。

 太古からの長い食用の歴史を持つ海苔ですが、江戸時代中期まで、海苔は数ある海藻類の中でも、群を抜いた高級食材でした。

海苔としらすと焼きたらこの和え物
【材料】焼き海苔…1枚/しらす…大さじ3/たらこ…1/2腹
【作り方】 ①たらこは弱火でじっくりと焼くか、ラップで巻いて、電子レンジで1分~2分程度温める。冷めて堅くなってから、おろし金でおろす。②1としらす、細かくちぎった海苔を和える。

 というのも、海苔は冷たい水の中でしか育たないため、冬場しか収穫できません。

 昭和になって生態が解明されるまでは、冬になると姿を現し、春になると消えてしまう不思議な海藻だったのです。

 収穫方法も、今なら網に繁殖させた海苔を引き上げるだけで済みますが、昔は極寒の海に入って、岩などに付着した海苔を手で剥がし取らなければいけなかったため、過酷を極めます。

 我が国最古の法律書である『大宝律令』には、朝廷に納める租税として、8種類の海藻が扱われたことが記されていますが、中でも海苔の価値は高く、ワカメの倍の査定がなされていました。

 ちなみに「海苔の日」が2月6日なのは、『大宝律令』の発布日である大宝2年1月1日が西暦の702年2月6日にあたるからで、数ある記念日の中でも、かなり渋い由来ではないかと思います。

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旬を楽しみ、身体が喜ぶ 江戸料理

栄養価の高い旬の食材を、あまり手を加えずにいただく――。これが江戸料理の醍醐味であり、健康長寿につながる正しい食のあり方だと思います。このコラムでは、江戸料理と健康をテーマに、食材ごとの情報とレシピをご紹介していきます。

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