小学4年、5年の子どもたちを中高一貫私立校に通わせたい

 数か月前にご相談に来られたCさんご夫婦は、夫(48)が会社員、妻(45)は専業主婦です。夫の年収は1000万円ほどあり、相談時の貯金は約1500万円。「収入は少ない方だとは思わないし、生活にゆとりがある」とも感じているので、小学4年生と5年生の年子のお子さん二人を、中高一貫の私立学校に通わせたいと考えているのだそう。

 大学付属校に進学できれば、自由に好きなことをしながら大学まで行かせられるだろうし、その子の個性や特性を伸ばしてあげられる。良い環境を与えられれば、良い教育を受けさせられる。そう思って大学付属中学受験を希望されているそうです。

 お子さんの教育についてはご家庭それぞれの考えがあるものですし、それができるようにやりくりができるのであれば、問題ないのかもしれません。ただ、家計的な準備をしていないのに、希望だけが先走ってしまうと、将来的に行き詰まってしまう可能性があります。資金不足になり、教育費を払うためにローンに頼ったり、奨学金を検討したりしなくてはいけない、さらには老後資金が作れなくなるなどの影響が考えられるのです。

家計をよく見ると赤字なのに……

 実際のCさん夫婦の家計状況を改めて見てみると、毎月5万円ほどの赤字家計。夫の手取り収入は毎月40万円ほどありますが、支出は45万円ほどになってしまう状況です。支出が多い原因を探ると、食費、妻の美容代・洋服代、加えて夫のこづかいとは別にかけている交際費。これらが負担となり、現在のところは赤字になっていました。

 この赤字は、ボーナスで補てんしています。貯金が1500万円ほどあっても、毎月のやりくりがこういう状況であれば、安心できる家計とはいえません。ですがご本人たちは貯金に加え、「年間の収支」では30万円前後黒字となることから、現状でもゆとりがあり、子どもたちを私立中学校に通わせても問題ないと思っていたようです。