ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
inside Enterprise

B787トラブルで詳細検査も
GSユアサ狙い撃ちの不可思議

週刊ダイヤモンド編集部
2013年1月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
日米当局による立ち入り検査が入ったGSユアサ。日米両空港でのトラブル発生から間もないタイミングに、業界関係者には不信感が募る
Photo:REUTERS/AFLO

 米ボーイングの新鋭中型機787型機のトラブルの原因を巡り、バッテリー周辺の不具合が焦点となっている。目下、機体の製造国責任を担う米連邦航空局(FAA)が中心となり、原因究明の調査が行われている。日米両空港におけるトラブル発生から間髪を容れず、1月21日、国土交通省とFAAが合同でジーエス・ユアサ コーポレーション(GSユアサ)に立ち入り検査に入ったことで、GSユアサが諸悪の根源であるかのような集中砲火を浴びている。

 問題のバッテリー周辺機器については、GSユアサがバッテリーを、仏軍需メーカーのタレスがバッテリー制御システムを担当している。GSユアサがタレスへバッテリーを納入し、タレスがボーイングへ“完成品”を納入するという流れだ。つまり、ボーイングから見るとタレスが1次サプライヤー、GSユアサが2次サプライヤーである。

 トラブルの原因が、バッテリーにあるのか、システムにあるのか、もしくはボーイングが発注した設計仕様にあるのかは定かではない。にもかかわらず、真っ先にGSユアサが疑われたことに、「タレス、ボーイングも揃って検査すべき」(経済産業省幹部)と不信感を持つ関係者は少なくない。

 国交省航空局によれば、「立ち入り検査がボーイング、タレスに入っているかどうかの情報は伝わっていない」としている。FAAがどのような方針、手順で調査を行っているか、詳細が国交省に伝わっておらず、米当局に検査の主導権を握られている。原因追究は時間をかけて徹底的に行われるべきだが、米側が早期の幕引きを狙っているようにも見える。

 他方で、今回のトラブル発生によって、国際分業が進んだ新型航空機に、日系メーカーが参画することの難しさが顕在化したとも言える。電機・自動車産業において、標準化された部品を組み合わせて設計する「モジュール化」が進んでいるように、航空機産業でもモジュール化が加速している。自動車の部品点数が約2万点であるのに対して、航空機のそれは約300万点。部品メーカーは、巨大なサプライヤーピラミッドの上位となり、完成品メーカー(ボーイング)の開発の中枢に関わるようでないと真の競争力は発揮できない。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年1月28日号 定価710円(税込)

特集 劇変世界を解く 新地政学

世界史の大転換が始まる

【特集2】
銀行界も戦々恐々
コンビニATM戦争

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


inside Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「inside Enterprise」

⇒バックナンバー一覧