ANA・JAL 黒字回復後の修羅#2Photo:JIJI

日本航空(JAL)は2010年の経営破綻以降、整備かパイロットの出身者が社長のバトンをつないできた。破綻前まで社長を輩出してきた事務系出身者は、裏方へと回った。十余年を経て、この流れが変わろうとしている。特集『ANA・JAL 黒字回復後の修羅』(全13回)の#2では、現場系から事務系への「大政奉還」が濃厚なJALトップ人事の内情を明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

パイロット、整備出身者の連続登板で
事務系の人事抗争が断ち切られた

 日本航空(JAL)の赤坂祐二社長(60歳。上写真)は、早ければ来春にもトップの座を後継者へバトンタッチする。

 2010年に経営破綻し、京セラ創業者の故稲盛和夫氏を会長に招いて以降、パイロットあるいは整備という専門職の現場出身者がトップに登板するようになった。破綻前まで事務系出身者で競っていた流れから百八十度転換した。

 これにより、破綻前に繰り広げられた経営企画、営業、労務という事務系の三大派閥による人事抗争が断ち切られた。

 しかしここにきて流れが変わろうとしている。次期社長の最有力候補が事務系出身者なのである。

 次ページでは、現場系から事務系への「大政奉還」が濃厚なトップ人事の内情を明らかにする。最有力候補は誰なのか。