管理組合同士の交流と
継続することの大切さ

 管理組合の情報を発信する方法はいろいろ考えられるが、あまり大規模なことを行う必要はない。たとえば近隣のマンションに声を掛けて、合同で勉強会や見学会などの場を設けるのもひとつの方法だ。ホームページやブログを立ち上げて、自分たちの経験を語るだけでも立派な情報発信になる。

 管理組合同士でネットワーク活動を行っている地域もあり、その多くがホームページなどを開設しているので、検索して参加してみるのもいいだろう。あるいは、行政や地域のマンション管理組合連合会、マンション管理士会などに相談してみるところから始めるなど、自分たちでできる無理のない方法を考えてみていただきたい。

 そして、できれば理事会の中で、理事の仕事の一つとして、管理組合同士のネットワーク担当という役割を設けたい。また、そこに予算をつけることで活動がしやすくなり、輪番制の理事会でも継続してネットワーク活動にあたれるようになるだろう。

 コロナ禍にあってはなかなか積極的にお勧めしにくいことではあるが、管理組合同士の交流を図る手段として、「ネットワーキングパーティー」の場を設けるという方法は非常に有効だ。名称は何でもいいのだが、要するに「飲み会」である。具体的には、たとえば勉強会や見学会などを行った後で、ネットワーキングパーティーを開催するという程度で十分だ。

 コロナ禍前には、先に触れたように私の会社でも年に数回、いろいろなマンションの理事に集まっていただき、セミナーと交流会(飲み会)を実施していた。昼の1時にセミナーを開始して、交流会が終了するのは夜の10時を回っていたなどということも珍しくはなかった。

 セミナーでは、参考になる事例として、テーマに該当するマンションの理事に自分たちの経験を披露していただくのだが、参加者はみな管理組合の理事ばかりなので、それぞれ真剣に話を聞いている。そして、交流会の席では、セミナーで話をしていた理事に質問をしたり、自分たちのマンションが抱えている問題を相談しあったりして、大いに盛り上がりを見せていた。また、その場で気が合った理事同士がその後も交流を続けている、という話も数多く耳にしている。

 こうしたネットワーキングパーティーを行ううえで大切なのは、継続することである。管理組合では1~2年という短い期間で理事が交代していくため、このような集まりを一度だけ行ってもあまり意味はないからだ。長く続けるとマンネリ化してしまうのではないか、と思われるかもしれないが、心配する必要はないだろう。理事はどんどん入れ替わるので、同じことの繰り返しでも、新しく参加する理事にとっては新鮮に感じるものである。