半導体 最後の賭け#16Photo:sorbetto/gettyimages

世界一の座から陥落した国内半導体産業に、千載一遇のチャンスが訪れている。敗者から一転、日本陣営が国際連携の鍵を握る立場に躍り出ているのだ。それでは、日本の半導体・電子部品業界に従事する人材の年収の実態はどうなっているのか。海外メーカーとの人材争奪戦で勝てるレベルにまで年収は上がっているのか。特集『半導体 最後の賭け』の#16では、半導体関連企業を対象にした「年収の増加率ランキング」を大公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 浅島亮子)

二つの国策半導体プロジェクトが始動!
日本でも人材獲得合戦が熾烈化

 台湾積体電路製造(TSMC)工場の日本誘致と国策半導体会社ラピダスの発足――。二つの国策半導体プロジェクトが始動、日本国内では半導体技術者不足の状況が鮮明になっている。

 日米半導体摩擦から約40年。その間、日本の半導体産業が凋落の一途をたどったことで、日本の半導体人材は外資メーカーの草刈り場となり、韓国・台湾・中国をはじめとする海外企業へ流出した。

 ある半導体メーカー関係者は、「理系大学の半導体講座に学生が集まるようになってきた」とは言うものの、学生の注目が集まるようになったのはここ1、2年のこと。それまでの日本の産業界では、半導体は“枯れた産業”と見なされ、不人気業種に成り下がっていた。

 それでは現時点で、日本の半導体・電子部品業界に従事する人材の年収の実態はどうなっているのだろうか。グローバルで人材獲得合戦が展開されている中、猛追を試みる日本企業に勝ち目はあるのだろうか。

 次ページでは、半導体・電子部品企業の「年収増加率ランキングベスト50社」を全公開する。年収1000万円超えの高年収でありながら増加率も高いという、“人材獲得力”で卓越している企業とはどこなのか。