誰でもデータ解析を学べば
気象データアナリストになれる

 加藤さん夫妻が、データ解析を習得したのが、データサイエンスの専門企業、データミックスである。2021年10月に「気象データアナリスト育成講座」を開講し、現在7カ月間のプログラムで、探索的データ分析、確率分布、仮説検定などの統計学や、深層学習などの機械学習といったさまざまな解析技術を指導している。

新しい職業「気象データアナリスト」が引っ張りだこになり得る理由天気予想をはじめ、数多くの分野で利用されている気象データ

「気象データをビジネスに有効活用するためには、そこで働く人々が、データサイエンスの技術を身に付け、課題の発見と解決を行えるようになるのが何より重要です。気象データアナリスト養成講座は、解析技術を用いて『気象×データサイエンス』の専門人材を育成するプログラムになっています」(データミックス代表取締役・堅田洋資さん、以下同)

 受講生には、現役の気象予報士をはじめ、災害報道を経験した新聞記者、解析技術を習得したい人など、多彩な人材が集まっている。

「この職業の難しい点は、データのハンドリング、いわば扱い方です。気象庁は膨大なデータを提供していますが、そこから自身のクライアントにどんなデータが必要か? どう活用するか? これらを考え抜いた上で解析を行わねばなりません」

 気象データアナリストは、データを駆使してビジネス現場の利益やリスク、社会的責任の視点で課題を導き出す仕事だという。

 ちなみに、データミックスの「気象データアナリスト育成講座」は、経済産業省の「第四次産業革命スキル習得講座」、厚生労働省指定の「専門実践教育訓練給付金」の対象講座に認定されている。4段階のステップを全て受講し、一定の条件を満たせば、入学金・受講料の50~70%が支給される。