アクセンチュアの時価総額はトヨタに迫る21兆円!超成長企業は「今が買い時?」Photo:SOPA Images/gettyimages

米国上場の巨大グローバル企業、コンサルティング大手のアクセンチュアの時価総額は21兆円を突破した。これは日本国内では首位のトヨタ自動車の30兆円に次ぐ規模だ。急成長の原動力となったアクセンチュアの独自のビジネスモデルを紐解くとともに、投資先としての有望度について証券アナリストの分析を基に解説する。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

売上高8兆円超で3割近く増収
巨大成長銘柄の独自モデルとは?

 世界のコンサルティング業界において、破竹の勢いで膨張を遂げるのが、120カ国以上にサービス展開するアクセンチュアだ。登記上の本社はアイルランドだが、2001年に米ニューヨーク市場に上場。直近の従業員数は、グローバル全体で73万8000人(22年11月末時点)に達する。

 事業はコンサルティングとITアウトソースの2本柱。22年8月期の売上高は616億ドル(1ドル135円換算で約8.3兆円)。この規模感でありながら、前期比26%もの増収(現地通貨ベース)を遂げている超成長企業だ。

 日本法人の現況は本連載の1回目『アクセンチュアの競合はBIG4にあらず!伊藤忠、電通、ITベンダー…「猛烈領空侵犯」の狙い』で述べたが、母体のアクセンチュアに焦点を当て、急成長の源である独自モデルを解剖するとともに、投資先として有望かどうかも検証する。

 同社にとって重要なKPI(評価指標)の一つと言えるのが、収益のけん引役である“上客”の存在だ。正式な定義は公表していないものの、年間で一定額以上のフィー(コンサル料)を支払う大口顧客を「ダイヤモンドクライアント」と呼称。その数は、年を追うごとに増え続けている。

 次ページでは、アクセンチュアの独自のビジネスモデルの実像に迫るとともに、ダイヤモンドクライアントの社数の変遷などを基に急成長の背景を浮き彫りにする。

 さらに、グローバルで競合する日系ベンダーのNTTデータなどとの比較を基に、ビジネスの“巨艦ぶり”や収益性の高さを定量的な見地から明かす。その上で、米国株を長らくウオッチする証券アナリストの視点を踏まえ、投資先としての有望度をひもといていく。一方、急成長を続けるコンサル業界には異変の兆しも出ている。投資の際に留意したい点も併せて触れる。