食事の席で使える美しい日本語
×〇具体例8選

 自分の言葉で表現する以外に、食事の席で役立つ美しい日本語もたくさんあります。ふだん使っている言葉を少し言い換えるだけでも、ぐんと品性が高い印象になるのです。ここでは、なかでも代表的な言い換え例を挙げておきましょう。

(1)目上の方にごちそうになったとき
×「ごちそうさまでした」
○ 「とても楽しく過ごしました。ごちそうになってしまい、申し訳ございません。ありがとうございます」など、まずは“場”を共にした感謝の気持ちも添えましょう。

(2)お酒を断るとき
×「ごめんなさい、私、お酒は飲めないんです」
○「ごめんなさい、私、不調法なもので」
ストレートに「飲めない」と言うよりも、へりくだった表現が場を和ませます。

(3)食事中にカトラリーを落としてしまった
×「すみません。新しいフォークをください」
○「恐れ入ります。新しいフォークをお願いできますか?」
さっと手を挙げて、疑問形で伝えるとより丁寧で優しい印象になります。

(4)二次会に誘われたけれど行きたくない
×「今日はやめておきます」
○「明日のお仕事を頑張りたいので」
ポジティブな理由で断ると、場が和み、引き止めづらいものです。

(5)大皿に残った料理の最後の1つに誰も手をつけない
×「私がいただいちゃいますね」
○ 「召し上がりませんか?」と周囲に促し、誰も食べる人がいなければ「次のお料理がくるので、私がいただきますね」と自分のお皿へ。まずは周りへの配慮から。

(6)コース料理の途中でお腹いっぱいになり、食べきれそうにない
×黙って残す。
○「次から少なめでお願いします」とお店の人に伝える。
黙って残すより、早めにオーダーするのがエレガントです。

(7)寿司店など、アラカルトで注文する店のとき
×「おすすめは何ですか?」
○「白身が好きなのですが、本日のおすすめは何ですか?」
自分の好みを伝えたうえで、おすすめをお聞きするとよいでしょう。そのほうが、相手も選びやすく、その後の流れも考えやすいものです。

(8)接待中なのに、食事の途中でトイレに行きたくなってしまった
×こっそり黙ってトイレに立つ。
○「お化粧室に行ってきます」と近くの人に告げて席を立つ。
食事中に席を立つことはお店の人にも同席者にも失礼になります。会食の際は事前にトイレを済ませておくことが肝要ですが、やむを得ない場合は、心配させないために近くの人にだけ告げて、静かに席を立ちましょう。