激安株を狙え#7Photo:Bloomberg/gettyimages

東芝が、アクティビストとのせめぎ合いの末、株式を非上場化しようとしている。今、国内外のアクティビストの攻勢にさらされている企業は東芝だけではない。あなたの会社が、いつ狙われてもおかしくない現実がある。特集『激安株を狙え』(全13回)の#7で、その背景を解説する。(アジアパシフィック・アセットマネジメント代表 末冨 純)

日本企業への攻勢が再び活発化
「アクティビズム2.0プラス」時代へ

 2023年1月、英投資ファンド3社が印刷インキメーカーのT&K TOKAに対して敵対的TOB(株式公開買い付け)を開始した。2月には香港の投資ファンド、オアシス・マネジメントがエレベーター大手のフジテックの臨時株主総会を招集し、社外取締役の選任を巡って会社側と激しく対立した。

 これらニュースのヘッドラインを見た企業経営者のほとんどは「また外資が暴れているのか。どうしようもないやつらだ。でもうちの大株主は取引先と金融機関だから大丈夫だ」と読み流したかもしれない。

 しかし、果たして対岸の火事で済ませられるのだろうか。今、日本の株式市場でアクティビスト(物言う株主)による日本企業への攻勢が、再び活発化しているのだ。

 日本のアクティビズムは今、「アクティビズム2.0+(プラス)」と呼ばれる新たな時代への過渡期にある。

 そんな時代に企業経営者はどんな備えをするべきなのか。アクティビストの視点を交え、彼らの投資行動プロセスや今後の展望を次ページで明らかにする。