(6)今までのNISAが終了したら
新しいNISAに移せるは誤解!

 今までのNISAが終了しても、新しいNISAには移せない

 前項にも書いたように現行のNISAと来年からのNISAはまったく別の制度であるから、現行のNISAは非課税期間が終了したら、もうそれでおしまいになる。移すことはできない。

 ただ、別の制度とはいっても現行のNISAを利用している人は同じ金融機関であれば、特別な手続きをしなくても来年になると自動的に新しいNISAは利用できる。従来は「一般NISA」と「つみたてNISA」はどちらか片方しか使えなかったが、新しいNISAでは統合されるので、一つのNISA口座となり成長投資枠もつみたて投資枠も両方利用できるようになる。

(7)新しいNISAは大幅に拡大したので
「金持ち優遇だ」は的外れ!

「金持ち優遇」とはいえない。制度が新しく改正されるに当たって、こういう批判があったが、これはちょっと的外れな批判と言って良いだろう。NISAの目的は中間所得層の資産を拡充するというところにある。富裕層の人たちにとっても、逆に低所得者層の人たちにとっても今回の改正はほとんど関係がない。

 そもそも利用できる上限額が1800万円しかないのであるから、数億円も資産を持っているような富裕層にとってはほとんど使うことに意味がない。実際にそういう富裕層の数人に聞いてみたが、NISAの制度改正には何の関心も持っていなかった。確かにそれはそうで、取引がワンショットで数千万円というような人達にとってはあまり意味がないだろう。