iDeCoとNISAは「目的」が違う!
今さら聞けない「詳細」をおさらい

 そもそも、両方の制度の目的は一体何だろう?

 iDeCoは正式名称を「個人型確定拠出年金」という。名前の通り、これは年金なのだ。ただし、年金と言っても国の公的年金ではなく、私的年金制度の一つである。つまり公的年金に上乗せして老後の生活をまかなうための資金を自分で積み立てていく制度である。

「年金」だからこそ、掛け金が自分の所得から全額控除されるという、他の金融商品には見られない大きな税優遇制度があるのだ。したがって、老後の生活をまかなうためにあるということであれば、これは入る必要のない人というのはほとんどいないだろう。

 誰にとっても老後は必ず訪れるわけであるから、それに対する備えは必要だ。ほんの一握りの人以外は誰もが利用するメリットはあるし、利用すべきだと考える。

 一方NISAは、投資をして利益が得られた場合にその利益に対してかかる税金が免除される仕組みの制度である。ここでのポイントは“投資をする”ということである。つまり株式や株式投資信託などのようなリスク商品を購入しなければそのメリットは得られないということになる。

 したがって誰にも等しく老後が訪れるiDeCoと違って、NISAは投資をするつもりが全くない人にとって、利用価値はない。iDeCoの場合は投資をするつもりがなければ定期預金で運用することもできるので、より汎用性は高いと考えるべきだろう。

 ただ、投資を通じて資産形成をしようと考えている人であればNISAを利用しない手はないと思う。