幸せの未来を描く

 デンマーク人の幸せは、国が与えてくれる安心できる環境がベースにありますが、それだけではありません。悪天候や寒い冬でも、ネガティブなところをポジティブに変えてしまう遊び心のある聡明さで、肩書では得られない幸せがあることを知っています。

 ジャンテロウはデンマーク人の他人を気遣う心、落ち着いたエレガントな振る舞いを保つことにある程度貢献しています。一方で、ジャンテロウはデンマーク人が大きな夢を描いて、周りに伝えるときの行動の足枷になっていることが多いのではないかと思うのです。

 私は野心を持ってデンマークにやってきました。だからこそ、成果を上げるためにベストを尽くそうと努力します。目標を高く掲げれば失望することもあり、上手くいかず悩んでしまうこともあります。

 それでも達成できれば、たとえ一瞬の幸せかもしれませんが、周りに与えられるインパクトも大きいと思います。心の豊かさと野心の両方を持ち、周りの環境に左右されず、夢に向かって時に突き進む勇気を持っている。その姿が理想で、そんな人がこれから増えていくことが夢です。

 地球上のどこにも完璧な国は存在しません。光があれば陰もあります。様々な異文化に触れてそれぞれの良いところを学び、自分なりの幸せのスタイルを築くことが大切だと実感しています。(第3回に続く)※3/29掲載予定です


デンマーク人は本当に幸せなのか?<br />住んで初めてわかった「幸福感」の違い

大本綾(おおもと・あや)

1985年生まれ。立命館大学産業社会学部を卒業後、WPPグループの広告会社であるグレイワールドワイドに入社。大手消費材メーカーのブランド戦略、コミュニケーション開発に携わる。プライベートでは、TEDxTokyo yz、TEDxTokyoのイベント企画、運営に携わる。2012年4月にビル&メリンダ・ゲイツ財団とのパートナーシップによりベルリンで開催されたTEDxChangeのサテライトイベント、TEDxTokyoChangeではプロジェクトリーダーを務めた。デンマークのビジネスデザインスクール、The KaosPilotsに初の日本人留学生として受け入れられ、2012年8月から留学中。
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