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オヤジの幸福論

敵を知り、己を知れば、百戦危うからず

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]
【第14回】 2013年2月27日
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 ここまで1年余りにわたり、日本の年金制度や人的資本という自分自身の稼ぐ能力、そして株式や債券といった資産運用の基礎となる資産などについてお話ししてきました。このコラムを読んで下さっているオヤジ世代の方の中にも、全体観のようなものが見えてきたので、そろそろ自分年金作りを始めてみようという気になった方もいらっしゃるかもしれません。

 でも、その前に学ぶべきことがもう少しあります。日本の年金制度や株式や債券の基礎的な知識は兵法で言うところの「敵を知る」ことであって、勝負に勝つにはそれだけでは不十分です。通常、皆さんがビジネス上の戦略を立案する際には、「自社の強み・弱みは何なのか」を考えますよね。ゴルフでも「ドライバーが右にスライスする傾向がある」という特徴を考慮してティーショットを打ちますよね。これと同様、資産運用においても自分の特徴を知ることが大切です。孫子の兵法に「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」とあるように、資産運用の成功の確率を上げるには、“己”についても知る必要があるのです。

 そこで今回から数回にわたって、「行動ファイナンス」という比較的新しい学問の切り口から、マーケットではなく、それに接する際の人間の特性に焦点を当ててお話しします。マーケット特性や投資理論を頭では理解できても、人間にはなかなか、それを正しく実行に移せない悲しい習性があるのです。そのようなバイアスに陥らないための工夫をいくつかご紹介しますが、それらは特別難しいものではなく、誰にでもできるものですので、初心者の方もご安心ください。

 では早速、行動ファイナンスの話に入りたいと思いますが、その前に現状認識として、このようなバイアスが災いして個人投資家の運用がいかに上手く行っていないのかについてお話しします。

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後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


オヤジの幸福論

年金支給が70歳支給になるかもしれない。公的年金ばかりか企業年金も怪しくなっている。銀行の金利も微々たるもの。平均寿命が延びるほどに老後が不安になってくる。自分で自分を守るためにどうしたらいいのか。オヤジの幸福のために自分年金について教えます。

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