ダイヤモンド決算報#ITサービスPhoto:Bloomberg/gettyimages

新型コロナウイルス禍が落ち着き始め、企業業績への影響も緩和されてきた。だが、円安、資源・原材料の高騰、半導体不足といった難題がいまだに日本企業を苦しめている。その状況下でも、企業によって業績の明暗が分かれているが、格差の要因は何なのか。上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はエムスリー、Zホールディングスなどの「ITサービス」業界5社について解説する。(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

楽天Gが純損失826億円
「モバイル以外の事業」が2桁減益

 企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は、以下のITサービス業界5社。対象期間は2022年11月~23年3月の直近四半期(5社いずれも23年1~3月期)としている。

 各社の増収率は、以下の通りだった。

・エムスリー
 増収率:3.1%(四半期の売上収益557億円)
・Zホールディングス
 増収率:6.5%(四半期の売上収益4338億円)
・楽天グループ
 増収率:9.3%(四半期の売上収益4756億円)
・MonotaRO
 増収率:13.6%(四半期の売上高620億円)
・メルカリ
 増収率:13.3%(四半期の売上高436億円)

  ITサービス業界の5社は、いずれも前年同期比で増収となり、MonotaROとメルカリは2桁増収を達成した。

  ただし、このうち楽天グループは、20年にサービスを開始した携帯電話事業が軌道に乗らず、利益面では赤字が続いている。

 23年1~3月期(23年12月期第1四半期)の営業損失は762億円(前年同期は1132億円の赤字)、純損失は826億円(前年同期は918億円の赤字)という結果だった。

 一方で、楽天グループのセグメント別業績を細かく見ると、実は携帯電話事業の赤字幅は縮小している半面、他事業が前年同期比で「2桁減益」に沈んでいることが分かる。

 その不振ぶりがメディアで報じられることも増えた楽天グループだが、携帯電話事業の赤字額と契約回線数は具体的にどの程度なのか。また、2桁減益に陥った他事業とは何か。

 次ページでは、各社の増収率の推移と併せて、楽天グループの現状について詳しく解説する。