ユニクロPhoto:Diamond

新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行したことで、コロナ禍によって大打撃を受けた業界・企業の業績の完全復活に対する期待が高まってきた。上場49社、15業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「【月次版】業界天気図」。今回は、2023年6月度のアパレル編だ。

ユニクロ「海外」は絶好調!「国内」は...?

 アパレルの主要3社が発表した6月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯ユニクロ(ファーストリテイリング)の既存店+Eコマース売上高(国内)
 6月度:前年同月比96.6%(3.4%減)

◯しまむらの既存店売上高
 6月度:同104.8%(4.8%増)

◯ワークマンの既存店売上高
 6月度:同97.8%(2.2%減)

 6月度の業績において、ユニクロとワークマンは前年割れ、しまむらのみ前年実績を超えた。

 片や、ユニクロを経営するファーストリテイリングには最近、明るいニュースが舞い込んだ。23年8月期通期の業績予想を上方修正。売上収益を従来予想の2兆6800億円から2兆7300億円(前期比18.6%増)に、営業利益を同3600億円から3700億円(同24.4%増)に引き上げた。いずれも過去最高を見込むというのだ。 

 ただし、好業績をけん引するのは海外ユニクロ事業で、特に、ゼロコロナ政策が続いていた中国大陸での売り上げが復活しているのが理由だ。国内ユニクロ事業は、前年並みの業績になりそうだという。

 そこで次ページでは、ユニクロ・しまむら・ワークマンの国内業績について、コロナ前と比較した「実態値」を深掘りしてみよう。すると、前年同月比の数字では読み取れない「裏側」が見えてきた。実は、ある1社と残り2社で、大きな「格差」が見つかったのだ。