コロナで明暗!【月次版】業界天気図Photo:Adam Gault/gettyimages

100社超の月次の業績データで分かる企業の「再起力」

「過去最悪の赤字」「希望退職者の募集」「新卒採用の中止」――。

 新型コロナウイルスの感染者数は一時に比べて収まりつつあるものの、企業業績の見通しは依然、厳しい状況が続く。冬のボーナスの大幅カットや人員減、出向など、かつてない状況を迎えているところも多い。

 それでは一体、コロナ危機から企業が復活するのはいつになるのだろうか。また企業によって差があるのか。

 そこで、ダイヤモンド・アナリティクスチームは、各社の公表資料を基に上場100社超、30業界・業種を上回る月次の業績データ(各種の売上高や収入、客数など)を調べた。その1年間の推移を追い、それぞれの状況をつぶさに見ると、企業の「再起力」で明暗がはっきりと分かれていた。

 それを示すために、次のような縦軸・横軸を取ったプロット図をご覧いただきたい。

【縦軸】 コロナ前(2020年1月末)と20年9月末を比べたときの各社の時価総額の変化率(%) =20年9月末時点の時価総額÷20年1月末時点の時価総額

【横軸】 月次業績データの対前年同月比(7〜9月の3カ月平均)

時価総額と月次指標の関係
各社の公表資料より、ダイヤモンド・アナリティクスチームが作成 拡大画像表示

 このプロット図を見ると、横軸の月次業績データが前年並みであることを示す100、あるいはそれ以上に回復しているところほど、時価総額がコロナ前よりも高まっている傾向がうかがえる。その逆もまた然りだ。

 とりわけ月次業績データの対前年同月比が60%以上であるプロット図のおよそ右半分をみると、月次業績データがよい企業ほど時価総額が増加傾向にあるという、正の相関を示している(相関係数は0.66である)。

 つまり、月次業績データを追うことで、企業経営が順調かどうか、さらには今後の企業価値の行方も占うことができるのだ。

 本連載では、業界・業種ごとに各社の月次指標を公開していく。さらに、各社が置かれた経営環境がひと目で判断できるように、月次業績データにおける直近3カ月の平均データの推移から、各社がいま置かれた状況を6つの天気図で示す。

 下に示す通り、まとめ記事を31業界・業種別に順次、配信していく。

31業界・業種のデータを一挙公開予定
(カッコ内はデータ公開企業名)

2021年2月2日、更新しました。

総論編:
>>「コロナ禍でも前年より絶好調な企業、絶不調な企業ランキング【9月度月次業績データ分析】」
>>「前年比で業績が絶好調&絶不調な企業ランキング!コロナ禍で明暗【10月度月次業績データ分析】」
>>「コロナ禍でも業績が絶好調な企業・業界ランキング【11月度月次業績データ分析】」
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(注)旅行会社は翌々月発表のため、データは前月のものである。

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■データの作成について:統計専門調査会社おたにの協力を得て、ダイヤモンド・アナリティクスチームが作成。データは対前年同期比の値で、各社ホームページの公表値を取得して作成した。最新の値が速報値の企業もある。天気図は、月次業績データにおける直近3カ月の平均の値と以下の基準を基に作成している。
 快晴:110%超 
 晴れ:100%超、110%以下
 曇り:90%超、100%以下
 雨:80%超、90%以下 
 大雨:60%超、80%以下
 嵐:60%以下

12月度のデータを一挙公開