代表が「第2自民党」を自任する、イケイケ維新に横たわる難題とは記者会見する日本維新の会代表の馬場伸幸。馬場に対する前評判は高くなかったが、統一地方選で結果を残し、新しい「維新カラー」が生まれている Photo:JIJI

 夏枯れが続く政治ニュースの中で気を吐くのが日本維新の会だ。7月30日に投開票された仙台市議選で新人5人が全員当選した。投票日前日の29日には酷暑の中で街頭に立つ代表の馬場伸幸の姿があった。維新はどうしても大阪を中心にした「ローカル政党」のイメージが付きまとう。馬場はそこから脱して「全国政党」への飛躍を掲げる。

 その馬場が代表に就任してから満1年。維新は創業者の橋下徹と松井一郎の個性が光り、馬場に対する前評判は高くなかったが、その馬場の評価を一新させたのが統一地方選だった。今や新しい「維新カラー」が生まれている。

「地方議員の当選が600議席に届かなければ代表を辞任する」

 結果は当選者が700人を超え、馬場の足元が固まった。馬場の側近は「あのときに代表のスイッチが入った」と語る。

 橋下、松井は典型的な“喧嘩政治”を武器に飛躍を遂げた。与野党を問わず歯に衣着せぬ言葉を浴びせ、あつれき、摩擦を繰り返しながら党勢を拡大してきた。馬場はこの個性豊かな2人を超えられるかが問われたが、一味違う発信力で存在感を高めつつある。

「第1、第2自民党の改革合戦が政治を良くすることにつながる。立憲民主党がいても、日本は何も良くならない」

「共産党は日本からなくなったらいい」