育英年金についても同様だ。すでにある制度として、子どもがいる親が死亡した場合には、その配偶者と子どもに遺族年金が給付される。さらに、親の死亡保障についても、定期保険や収入保障保険などの民間の死亡保険に加入している人も多いので、子ども保険に育英年金が付いていなくても、その他の保障でカバーできるだろう。

 前出の「こども未来戦略方針」では、高等教育費の負担を軽減していくために、奨学金制度の充実や授業料後払い制度の導入などが盛り込まれている。今後は教育費の負担軽減も期待できそうだ。

 子ども保険で教育資金を貯めたい場合も、加入前に払い込む保険料総額ともらえる満期金を比較して、元本割れにならない商品を選ぶようにしたいものだ。医療保障や育英年金など特約が付いているタイプは、満期金が保険料総額を下回ることが多く、教育資金を有利に貯めるのには向かない商品といえる。

 冒頭の友人は、その後、加入していた大手国内生命保険会社の商品はすべて解約したという。ネット生保で定期保険と医療保険に見直したところ、月払い保険料は4000円程度となり、それまでの7分の1になったそうだ。

「解約するのに手間取るかと思ったのですが、担当の営業職員に、LINE(ライン)で『保険をすべて解約します。書類ください』と連絡したら、意外とあっさり手続きできました。保険の見直しで家計に余裕が出たので、浮いたお金の一部で教育資金の積み立てを始めました。レジャー費に回せるお金も少し増えて、気持ちに余裕が生まれました」

 せっかく国が少子化対策に予算を振り分け、子育て世帯の負担を軽くしようとしているのに、無駄な保険にお金を消費してしまったら、その恩恵は半減してしまう。国の子育て支援によって浮いたお金は、子育ての負担が軽くなるような使い方をしてほしいと思う。

 たとえば、食器洗浄機やお掃除ロボットなど家事の手間を省ける家電製品を購入したり、子どもと思い出をつくるためのレジャー費などに使ったり、マイホームを購入するための貯蓄をしたり……。暮らしに余裕が出るものに支出を振り分けられれば、子育ての負担は、精神的にも、肉体的にも軽減できるのではないだろうか。