ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
コンテンツ業界キャッチアップ

プレイステーション4はビジネスになるのか?
「家庭用ゲーム機終了説」を検証する

石島照代 [ジャーナリスト]
【第36回】 2013年3月5日
1
nextpage

ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は2月21日(現地時間2月20日)、新型家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」を開発中であることを明らかにした。発売は米国のホリデーシーズン(今年の11月下旬以降)を予定しているという。スマートフォンやタブレット端末の普及といわゆるソーシャルゲームの勃興で、家庭用ゲーム機不要論もささやかれる一方、ソニーに次いでマイクロソフトも新型ゲーム機の発売を予定しているといわれ、家庭用ゲーム機ビジネスが終わりそうな気配は見えない。なぜ新しいゲーム機は発売され続けるのだろうか。(取材・文/ジャーナリスト 石島照代)

 米国・ニューヨーク、ミッドタウンウェストにある「The Hammerstein at Manhattan Center」は、6時のスタートを待たずに人で埋まっていた。1階、2階は満員、3階も半分以上の席が埋まっている。この日のイベントタイトルは「PlayStation Meeting 2013」。もちろん、「PS4」の発表会であるとは事前告知されていない。だが、ニューヨークでやるイベントに対して、日本のマスコミにまで招待状が出されたことから、内容は推して知るべし、だろう。

Photo by Teruyo Ishijima

 イベントが始まり、「PS4」のロゴが大きく映し出され歓声が起きると、「本体は?」、「価格は?」という好奇の視線が舞台に注がれ続ける。だが、PS4関係でお披露目されたのは、結局「デュアルショック4」のコントローラと発売時期だけだった。イベント終了後、なんとなく肩すかしを食ったようなマスコミ関係者の表情が印象的だったが、「なぜPS4の本体を公開しなかったのか?」と尋ねられた、SCEスタジオの吉田修平プレジデントの「なぜ気にするの(笑)」というコメントもふるっている。

 確かに、たっぷり2時間以上というイベント時間は申し分なかった。さまざまなPS4のコンセプトの話やソフトメーカーの施策が発表され、PS4のシステム設計のトップ、マーク・サーニー氏は、PS4は「開発者のポテンシャルを生かす」、とにかく「ゲームを開発しやすいハード」であることを心がけていると強調していた。セガのヒットゲーム「ソニックザヘッジホッグ2」を手がけたゲームデザイナー兼プログラマーだけに、その言葉は説得力がある。ユーザーとの間に壁を作らないゲーム機であろうとしていることも分かった。だが、関係者がいちばん知りたいことは、「PS4はビジネスできるゲーム機なのか?」だろう。

1
nextpage
スペシャル・インフォメーションPR
IT&ビジネス
関連記事
クチコミ・コメント

facebookもチェック

石島照代 [ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

 


コンテンツ業界キャッチアップ

ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

「コンテンツ業界キャッチアップ」

⇒バックナンバー一覧