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スマートフォンの理想と現実

サムスンら大手ベンダーが新端末の発表を見送り
新興勢力の中国勢には未だ“ビジョン”見えず

――モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2013レポート【前編】

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第45回】 2013年3月5日
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MWC会場と近くにある伊東豊雄氏設計のホテル・ポルタ・フィラ Photo by Tatsuya Kurosaka

 スペイン・バルセロナで開催されているケータイ産業の世界的な展示会「モバイル・ワールド・コングレス(Mobile World Congress、以下MWC)」に、今年も参加してきた。

 昨年も本連載で取り上げているが、私がMWCに参加するのは、かれこれもう6回目くらいになる。バルセロナは、日本から一番遠い欧州の主要都市の一つであり、最短でも移動に16時間近くを要する。出発日に誕生日を迎え、紛う方なきアラフォーに入った私にとっては、少しばかりしんどさを感じる旅となった。

 しかし、いざ訪れてみると、やはり今年も参加してよかった、というのが全体的な感想だ。やはりMWCに来ないと世界的なトレンドは分からないし、端末はもちろん、基地局などの通信機器に関しても、新たな動きが構造化されつつあることが、よく分かった。

 そしてそれらは、ガラパゴス状態を脱した日本の通信産業全体にとって、もはや看過できない動向でもある。そうした断片を、今回と次回の2回に分けて、お伝えしていこう。

MWC外しの顕在化

 まず、端末の動向については、つまらなかったというのが、率直な印象である。

 いま、世界中のスマートフォン市場を牽引している端末メーカーが、アップルとサムスン電子であることを疑う人は、いないだろう。しかしそのアップルがMWCにいない。

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クロサカタツヤ[株式会社 企/株式会社TNC 代表]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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