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三谷流構造的やわらか発想法

航空事故調査から学ぶ【4】
~アクシデントでなくインシデントから学べ!

三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]
【第55講】 2013年3月7日
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バシキール航空とDHLの空中衝突は
予防できた事故だった

第52講「航空事故調査から学ぶ【1】~離着陸時にはクツを脱ぐな」以来、航空事故とその調査手法から何が学べるかを見てきました。前回の「航空事故調査から学ぶ【3】~誰を信じるべきか。ヒトか? 機械か?」では、最後にTCAS(空中衝突防止装置)と管制官の指示が食い違ったために起きた事故を紹介しました。

 それが、ロシアのバシキール航空2937便とDHLの貨物機DHL611便の空中衝突事故でした。バシキールのパイロットは管制官の指示に従って(TCASには反して)降下し、DHLはTCASに従って降下したのにそれが管制官には伝わらず、空中衝突という最悪の結果につながりました。

 この悲劇の原因は、TCAS指示へのパイロットの対応が統一されていなかったことにありましたが、回避可能な事故でした。小中学生60名を含む71名の犠牲は、必然でもなんでもなく、ある事故の教訓を活かしさえすれば、予防しうるものだったのです。

 それが日本航空2機による、駿河湾上空ニアミス事故でした。バシキール航空の事故からちょうど1年半前の2001年1月31日に、焼津市沖の駿河湾上空37000フィート(1万1300メートル)で起きました。

2001年に発生した日本航空機駿河湾上空ニアミス事故の想像図(Anynobody)

 

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三谷宏治 [K.I.T.虎ノ門大学院主任教授]

1964年大阪生まれ、福井育ち。小1のとき読書と読みかじりを人に教える快感に目覚め、駿台予備校では教えることの技術に衝撃を受ける。東京大学 理学部物理学科卒業後19年半、BCG、アクセンチュアで戦略コンサルタントとして働く。2003年から06年までアクセンチュア 戦略グループ統括。途中、INSEADでMBA修了。
2006年から教育の世界に転じ、社会人教育と同時に、子どもたち・親たち・教員向けの授業や講演に全国を飛び回る。「決める力」「発想力」と「生きる力」をテーマに毎年8000人以上と接している。現在K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 主任教授(MBAプログラム)の他に、早稲田大学ビジネススクール、グロービス経営大学院、女子栄養大学で客員教授、放課後NPO アフタースクール及びNPO法人 3keys 理事を務める。永平寺ふるさと大使。
著書多数。『一瞬で大切なことを伝える技術』(かんき出版)は啓文堂書店2012ビジネス書大賞、『経営戦略全史』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)はダイヤモンドHBRベスト経営書2013第1位、ビジネス書大賞2014大賞、『ビジネスモデル全史』(同)はHBRベスト経営書2014第1位となった。
HPは www.mitani3.com

 

 


三谷流構造的やわらか発想法

発想法ってなんのために存在するのでしょう? ヒトと違うアイデアや答えを出すためです。統計的に有意な戦略なんて、定義により無価値ですし、統計的に正しい発想法なんてあるわけがありません。発想に「普遍性」や「高確率」を求めるなんてそもそも矛盾しているのです。発想法も、然り。これまでと違うものを生み出すには、新しい発想法がいま求められているのです。

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