
日本航空グループが4月1日、入社式を行った。JALといえば昨年の正月、羽田空港で海上保安庁機と衝突した事故が記憶に新しい。JAL機は客室乗務員の見事な誘導で379人が全員脱出し、国内外から称賛を浴びた。今年は、1985年8月に起きた御巣鷹山の日航機墜落事故から40年の節目の年でもある。事故を知らない世代に向けて、JAL初の客室乗務員出身社長が語りかけたこととは。(ダイヤモンド・ライフ編集部)
大谷翔平が激励のメッセージ
日本航空を中心とするJALグループ40社の合同入社式が4月1日、羽田の格納庫で行われた。約2100人の新入社員に向けて、同社がサポートする米ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手がビデオメッセージで登場。「チャレンジする気持ちを忘れずに、未来に向かって大きく羽ばたいてください」などとエールを送った。
ちょうど1年前の24年4月、JAL初の女性・客室乗務員(CA)出身の社長として就任した鳥取三津子社長兼グループCEOも、「皆さんと一緒に、変化を恐れず、新たなチャレンジが出来ることに、心躍る気持ちでいっぱいです」と挨拶。続けて、「安全の大切さ」と「お客様視点の大切さ」を説いた。
JALといえば24年1月2日、羽田空港の滑走路上で海上保安庁の航空機と衝突した事故が記憶に新しい。JAL機は激しい火災を起こしたが、CAの見事な誘導により短時間で乗客・乗員379人が全員、脱出に成功。「JALのCAすごい」「奇跡の救出劇」などと国内外から称賛を浴びた。CAの約半数は、23年春に入社したばかりの新人だったという。
そんなJALにとって今年は、重要な節目となる。1985年8月12日に起きた日本航空123便墜落事故から40年を迎えるのだ。乗客・乗員524人を乗せたジャンボ機が、群馬県の御巣鷹山に墜落、520人が死亡した日本の民間航空史上最悪の事故である。
鳥取社長は85年4月、東亜国内航空(後の日本エアシステム、JAS)にCAとして入社。同年8月に起きた日航ジャンボ機墜落事故に、安全への意識を強めたという。JAL・JAS統合では、2社のCAの安全マニュアルをどうやって一緒にするか、安全関連の業務を担当していた。