中国らしい面白い回転ずしとは?
シャリの上にフォアグラやドリアン

 私が訪ねた回転ずし店は清潔感のある内装で、過剰な装飾がなく、土曜日だったこともあり、親子連れで大混雑だった。小学生と思われる子どもの人数の多さに少し意外な印象を受けた。店内の混雑ぶりを見て、処理水の海洋放出による影響は少なくとも中国の海鮮品消費市場では予想していたほど深刻ではないようだ。

 ホスト役の友人は「普段も混んでいる。この辺は裕福な住民が多く、日本料理店も相当集中している。この店はリーズナブルな価格で人気を確実に集めている。妻とよく利用している」と教えてくれた。

 食事した後、計算してみたら、客単価が110元(約2200円)前後だった。マグロや中トロ、大トロ、サーモン、甘エビと思われる「仙桃エビ」などがあるだけではなく、フォアグラやドリアンなどのネタもシャリにのって出てくる。

 ネタの組み合わせも面白いところがある。たとえば、丼には牛肉とアスパラ、温泉卵と焼き肉、かば焼きウナギとフォアグラのコンビもある。驚かされたのは、回転ずしの店なのに、台湾風魯肉飯(ルーローハン)、唐揚げカレーライスなども提供することだ。

 もちろん、改善すべき問題点もある。シャリは機械で握ったもので、握力の設定が甘すぎたせいか、箸や指が少しでも触れると、崩れてしまう。焼き穴子の焼き具合はいま一つだと思った。