ぽっこりお腹を凹ませる、一番ムダのない“運動と食事”の順番とは?【医療記者が教える】かつては115キロあった著者の朽木誠一郎さん=2015年5月(提供)

30~40代になると、どうしても崩れてくるボディライン。しかし、医療記者の朽木誠一郎氏によれば、「『体の形』は自分の好みに変えられる」といいます。そのために重要なポイントを、朽木氏の著書『健康診断で「運動してますか?」と言われたら最初に読む本 1日3秒から始める、挫折しない20日間プログラム』(KADOKAWA)より一部抜粋・編集してお送りします。

垂れたお尻を上げるには

 肌ツヤが良く、頬がシュッとしていて、お腹もぺったんこ、いつも元気――どうすればそんな「見るからに健康そうな人」になれるのでしょうか。

「健康になる」は大きなメリットなのですが、それこそ健康診断が終わると、その価値を忘れてしまうこともしばしばでしょう。そこで、本稿ではより直接的なメリットとして「『いい体』と言われる」ことを目標にしてみようと思います。

 30~40代になると、男女に限らずどうしても崩れてくるボディラインを、いかに戻すか。戻すだけでなく、今を全盛期にできるか。ある意味では永遠の課題なので、運動が習慣化した先の目標としてはちょうどよさそうです。そして、運動をすれば「体の形」を自分の好みに変えられることが、科学的にも明らかになっています。

 例えばよく「お尻に年齢が出る」と言われます。実はこのことについては、科学的な研究がなされており、加齢によるお尻の形の変化には、筋肉が強く関係していることがわかっています。

 それが下着メーカー・ワコールの人間科学研究所の研究(*)です。ワコールは1950~60年代生まれののべ4万人の女性を最長で30年間以上追跡し、そのデータから、女性の体型の変化を時系列で分析しています。

(*)…出典=坂本晶子「日本女性の加齢による体型変化」- Anti-Aging Medicine. 2014;10(6):910-915.

 下着メーカー・ワコールの人間科学研究所により2014年に発表された研究。1950~60年代生まれの約4万人の女性を最長30年間以上追跡、女性の体型の変化を時系列で分析した。

 そこでわかったのは、女性のお尻の形が加齢に伴い「ステップ0」から「ステップ3」へと崩れていく、ということでした。最初は横から見て半円形で垂れていない「ステップ0」。そこから徐々に下部がたわみ(ステップ1)、メリハリがなくなって四角形に近づき、ヒップの頂点が下がります(ステップ2)。やがて側面のボリュームが削がれて、ヒップが中央に流れる(ステップ3)のです。